ハワイでのAPECで枝野や玄葉TPP推進大臣は、参加各国からTPP協議に参入することを褒められたと盛んに宣伝している。これで日本も仲間入りできた、上々の出来と言いたいようである。
ところが、肝心のTPP関係国会議には、お呼びがからなかった。野田ドジョウ首相の粘り腰や、一夜伸ばしのガス抜き戦法は、日本の政治家たちはごまかせても、外には通用しなかったのである。
与党内の反対者があまりに多かったので、野田の選択した「協議」は、参加表明でないと判断されたのである。つまり冒頭から、TPP参加各国に協議すらしてもらえなかったのである。
何のこっちゃ!
こんな政府に、利害が複雑に絡み合う政府間交渉が、これから先できるのだろうか? ましてや協議後の離脱などは到底考えられない。国内での論議が不十分である上に、与党内すらまとめることができなかったのである。当然の結果でもある。
慎重派(反対派ではない)の山田前農相は、帰国後の両院総会をさらに大きな山にするようである。彼は、APECでのTPP参加各国の動向を読んでいたのであろうか。
そもそも、与党内が二分しているだけでなく、みんなの党以外の野党はすべて反対するような協議事項を、平然とゴリ押しすることが出来ると思っているのだろうか? 通常の感覚ならそんなことはしないだろう。
普天間もそうであるが、そんなにアメリカが怖いのだろうか。不条理な外交を世界の隅々で展開するアメリカとは、もう適当な間隔をもって接する時期ではないのだろか。