そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

ギリシャの言い分・不当債務の可能性

2011-11-23 | 政治と金

EU圏が揺れている。発端となったのは、ギリシャの債務問題である。債権過剰の国は、頭文字を取ってPIIGS(ピッグス:ポルトガル・アイルランド・イタリア・ギリシャ・スペイン)と2762080537呼ばれている。

さてそのギリシャであるが、なぜこうまでなったのか。報道は、粉飾決算とルーズな国民性や、公務員の多さばかりを伝えている。

今ギリシャはこれらの多くは、債務を不当債務として返済義務がないと定義付けようとしている。不当債務とは、何か?

1927年にロシアの、アレクサンドロ・ザックは次の3点が揃った時に”不当債務”と定義され、返済義務はないとしている。

すなわち、①国民の承認がなかったこと ②その融資が国民にとって不利益になったいること ③それらのことを貸し手が知っていた場合、である。

今世紀になって、不当債務との定義を恐れながらも、同様に先進国は処理した例がある。イラクである。融資各国は、アメリカに習いフセイン後のイラクに対して、返済金額の削減をすることで応じたのである。

不当債務を訴えている国家もある。南米のエクアドルである。IMFを通じての債務の多くの返済を、拒否したのである。融資が、アメリカ企業の参入を前提にして行われ、投資後のインフラも富裕層を豊かにし、格差を生じさせた。その債務を、国民の税金で支払う必要はないとしたのである。

ギリシャもあまり変わりない現実が分かってきている。粉飾決算が問題視されているが、内外の債券価格差を巧みに取り入れた手法で、帳尻を合わせたのである。

これに協力したのが、ゴールドマンサックス社である。この会社が得た報酬は、数百万ドルと推定されている。粉飾が発覚するまで、債務局長をしていたのが、ゴールドマンサックス社の職員であることが分かっている。

ドイツは、武器の購入を前提に債権を発行させている。フランスに至っては、フリゲート艦4、潜水艦6隻など、合計30億ユーロの武器を売りつけている。オリンピック施設も、税金で支払う羽目になっているのである。

いずれも、ギリシャにそんな金があるはずはない。ギリシャの債券発Eu行を促した国々にも責任はある。国民は知らなかった。

エクアドルは、債務監査委員会を立ち上げ、負債の詳細を検討してた。その結果、70%は不当債務と判断した。

国民が、医療や福祉や輸送など生活に困難をきたしている。したがって不当債務は支払う義務はないとしているのである。

ギリシャも、債務監査委員会を立ち上げようとしているが、反対勢力や踏み倒されると困る国々の圧力で、困難な状況にある。

報道は、ギリシャは税金を支払わないとか、働かないとか、公務員が多すぎるなどと瑣末な内容を伝えているが、食い物にされた国家を更に叩く姿勢は許されるべきではない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

羅臼港

春誓い羅臼港