やっぱりと思いながらも、野田ドジョウ首相はTPP参加を今日(11日)発表した。言葉 を選んで話してはいるが、さまざまな矛盾を言葉で塗りこめている感じがしてならない。
棚田の景観を守るとはどういうことなのか、彼にはわかっているとは思えない。日本の伝統を守るとは、農耕民族の生きてきた歴史を守ることである。
世界にはそれぞれの気候や地形や気候に応じて、育まれた文化や歴史や民族や食や宗教やさまざまな習慣がある。それらをお互いに認め合うために必要なものが関税である。お互いを知ることにもなる。
それらをまったく無視して、金銭と効率で評価するのが無関税方式である。強者が、気ままに「自由経済」と呼んではいるが、強者にとっての理屈でしかない。
野田ドジョウ首相は、反対派の勢いを削ぐために一晩伸ばした判断である。ガス抜きである。山田前農相は、離脱もあるとしAPEC帰国後に、両院総会を開くことで溜飲を下げた。ほとんど一見落着である。ドジョウの狙いは成功した。
物忘れの激しいこの国の人たちは、ドジョウ氏が帰国するころには、熱が冷めていることだろう。アメリカとの交渉で、日本がアメリカに楯突いたことはほとんどない。クラスター爆弾に反対した程度である。そんな国家が、TPPという極めて、利害が反目しあう現場で離脱などできるはずがない。
これで農業団体も、たんまり補助金を貰うことに腐心することになる。全国的な運動の広がりは、補助金を増やすには十分の効果があった。
補助金付けの農業は、いつもお上の言いなりになる。農業の本来の姿と、自主性をなくすことになる。これまでの農業政策がそうであったために、これほど農村が疲弊したのである。
それにしても、お米はほとんど望みがなくなったが、農村はどのように姿を変えるのだろう。食料自給率は何処まで落ちるのだろう。行き先の見えないTPP参加である。