イランが核開発をやっていると、国際原子力委員会(IAEA)が11月8日に発表した。この時期の発表がどうもきな臭い感じがする。アメリカとイスラエルが、以前から主張していた内容そのままである。
イランはアメリカと、IAEAのでっち上げだと反論し事実無根と反論している。事務局長が、アメリカ寄りの天野之弥になってから、中東の不信感は増大している。
これに似た構図は以前にあった。イラクのフセインが、フランスから導入した原子力発電所をバクダッドの郊外に建設し始めたのである。敵国の核開発に敏感に反応したのが、イスラエルである。
この原子力発電所を、イスラエルは空爆して破壊したのである。「オシラクオプション」と呼ばれたこの作戦は見事に成功した。もちろん道義上も国際法にも反する行為であるが、国家の方針である。
いま、中東最大の軍事力を誇るイランを、イスラエルが本気になって空爆しかねない状況といえる。イランの攻撃は、パレスチナやヨルダンなどの支援を断ち切る意味で、イスラエルにとって意味があることである。
不条理であっても、国家のためならこの程度のことは平気で行われる。事実関係などお構いなしである。アメリカのアフガン、イラク侵攻が良い例である。実に、国益とは怖ろしい得体のしれないものである。