ついにアメリカはミューヨークの、ウォールストリートの若者たちのデモに対して暴力的な鎮圧にかかった。我々は99%であるとする、金融社会のもたらした格差社会への不満から始まった、アメリカにしては珍しいデモである。
アメリカ全土の飛び火して、一時は99か所で何らかの示威行為がなされていた。
格差社会の象徴的なデモであるが、何しろ組織されていない行動である。それだけ
強いとも言えるし、本質的な問題がここにあるともいえる。
全土でデモ行為などが消えてゆく中にあって、ニューヨークは営々と続けられていた。彼らの拠点となっている公園を警察官が14日に急襲して、80名ほどを逮捕したのである。
アメリカは、雇用不安と格差に喘ぐ人たちをアフガン・イラク侵攻で大量に生み出した。戦争に勢いがある間は、見えなかった問題がオバマになって噴出してきた。
チェンジを掲げたオバマであったが、今は遠い昔話のように思えてならない。再選を目指すには、とりわけ雇用問題を解決しなければならない。それを、輸出産業に期待して唐突に乗ったのが、太平洋を取り巻く四小国が結んでいた条約である。TPPである。
これまた唐突にこれに従いますと、閣内協議もなく所信声明をしたのが、菅直人である。国内問題と自らの延命として打ち出されたのに、他国の首相がおどおどして乗ったのである。これは普天間の詫び状でもある。
国内問題を、国力を背景に威圧的に打ち出されたTPP問題を、いとも簡単に受け入れることは、全く理不尽な話である。TPPは経済問題ではなく、国際的な政治問題、外交問題である。
従って、個々の品目について討論するのは単なる、ポーズでしかない。基本的には、全品目の関税の撤廃が原則である。
それとも多少の延命策を打ち出し、『直ちに影響があるレベルではありません』とでも言い出すのであろうか?