巷では、日本の農業は保護され過ぎている。「保護を止めれば、日本農業は強くなる」、というと言われ続けている。保護され過ぎている農業が、なぜ自給率が39%しかないのか問うこともなく、無根拠のうわさが流れる。安倍政権も、TPP参入にあたって同類の発言を繰り返している。
左の表は、昨日放送された「日本農業の選択」というシンポジュウムの資料である。日本のデータは、民主党政権までのもので、今は少し上がっている。
保護の内容は色々と異なるが、EUは80~90%である。これほど大きな差があるのが現実である。日本の農業は過保護どころか、全く政治から見放されているといえる。
しかもその保護の重要なところは、『周辺整備事業』とか言われるものが圧倒的に多い。農道を整備したり水道事業や灌漑とか称する巨大な土木事業、農機具など関係周辺企業の振興事業ばかりである。
日本の食料産業はこの10年ほどで、50兆円から80兆円産業へと成長した。その間に、農家の手取りは26%から12%に落ち込んでいる。農家戸数が減って、地方が疲弊するのは当たり前である。
関税についても、日本は先進国でも特に低い国で、11.7%しかにないが、TPP参入でこれを基本的にゼロにするというのである。
自給率を39%から13%まで落としてでも、TPPに参入する意味が理解できない。私は嫌いであるが、国家安全保障を声高に言うのであれば、軍隊とエネルギーと食料は均等に語らねばならない。
安倍政権にはそうした高い理念もなく、徒に右傾化して軍事増強に走るばかりである。もっと農業を保護し、弱者を支える政策を実行しなければ、いずれ国家としての形態すら失うことになる。