消費税導入に当たって、妙な制度が輸出企業に適用されている。「輸出還付金」というものであるが、輸出業者は仕入れ先には、消費税を支払うが販売先から消費税を徴収できないから、国が面倒みてやるというものである。
この理屈はいくら考えても良く判らない。輸出企業は消費税を支払うことなく、国からもらえるのである。おまけにトヨタなどの大企業の多くは、下請け孫請けに消費税を内税にさせていることが多く、現実には支払っていないか、額面以下である。
左の表は、企業ごとの還付額の額のベスト20である。トヨタが圧倒的で、1800億円も還付されている。一カ月当たり150億円、一日当りで5億円還付されている。豊田税務所が支払っているのである。二位の日産でさえ906億円、住友商事でも665億円それぞれの、私たちの税務所から還付されている。(クリックすると大きくなります)
これら、上位20社だけでも1兆7403億円税金が還付されている。全国で3兆円にもなる。繰り返すが、徴収しているのではなく、税務署が企業支払っているのである。還付というからには、いったん徴収しているのかと言えばそうではない。
右の表は、税務署ごとの輸出還付金額である。消費税が赤字になっている税務署が、全国で10所もあるのである。輸出還付金が、税収を上舞っているのである。
トヨタを抱える豊田税務署が1365億円の赤字になっている。以下日産の神奈川税務署、マツダを抱える広島海田税務種といった具合である。
そりゃおかしいゼ
消費税は赤字企業でも支払わなければならない税制である。その一方で、3兆1836億円もの金額を、黒字企業に支払っている。この仕組みは、消費税が上がればさらに高額になる仕組みでもある。更に、虚構の経済振興で円安になって、輸出業者は膨大な儲けが転がり込んでいる。
社会保障に充てるなら、還付金を止めて回すだけで十分である。弱者から金を集めて強者を潤すシステムは、増税とアベノミックスによって一層加速する。