ようやく、アメリカの無人偵察機(PQ-1 プレデター)を世界が非難し始めた。パキ
スタンの、首相がアメリカに赴き「国民のアメリカ嫌いの原因になっている」と、極めて遠回しながら問題を指摘した。
自らは人的な被害がなく、遠隔操作によって攻撃する卑怯できわめて非人道的な、偵察機(実際は戦闘機であり攻撃機)である。民間人に犠牲者が大量に出ていることが指摘されている。
これに対してアメリカのスポークスマンは、「ミサイルなどに比して制度は高く誤爆などなく、テロ対策として有効に使われている」と、現実を認めない良く解らないコメントをしている。極秘作戦のため、内容には触れることができないのである。
これまでパキスタンで400人以上、アフガニスタンで31人、イエメンで12人の民間人が、無人偵察機で殺害されている。これは公式な数字でしかない。アメリカは、テ
ロ対策の成果を発表するわけでもない。
パキスタンは、9.11同時多発テロの報復に侵攻した経過がある。ビン・ラディン率いるアルカイダを追い詰める作戦で山岳地帯に手を焼いての対策であった。
無人機の飛来は一般人を恐怖に陥れる。反撃しても意味がなく、隠れるだけである。アメリカに自由に攻撃させている、パキスタン政府も、いまさら非難できる立場ではないはずである。
人権団体である、アムネスティも『きわめて非人道的』であると、強く非難している。人道的な戦争などないが、この偵察機だけは容認することができない、卑劣な武器であると言える。