イオンが昨年12月~今年9月上旬、西日本を中心に2府21県のイオンやダイエーなど674店で「国産米使用」と表示して売った弁当やおにぎりに、多量の中国産米が混入していたことがわかった。農水省は、コメの販売元の三瀧商事が原産地を偽装したとみて、立ち入り検査を実施している。
コメはミニマムアクセスによる輸入品で、安全性には問題はないとしている。790トンもの混入(4400トンに対して)であるが、過去最大の偽装と言われている。然し法に触れないような食品偽装は、数限りなくこの国は認めている。
例えば、讃岐うどんであるが、小麦は殆どがオーストラリア産である。かつて讃岐は、雨が少なく水田耕作が難しくて、小麦の栽培がなされた場所である。実は小さくても、引きしまった小麦を生産していた。それが讃岐うどんのルーツである。現代のうどんは偽装と呼ばれることはない。
シジミやウナギなどは、朝鮮半島や台湾で生産されて、仕上げの一月ほどが日本で養殖されれる。表示義務はなく、違法行為ではない。
松坂牛も同じである。いや、全国のブランド牛肉の殆どが仕上げの場所しか問われることがない。もっとも、牛の場合はトレイサビリティーが確立されていいるので、調べれば判ることではある。肉牛の生産体系は、育成から仕上げまで分業化されている。偽装などと言う言葉で、産地を問い詰めると生産体系が崩壊する。
いや、日本の畜産はカロリー分の多くを、ほとんどがアメリカの穀物に依存している。採卵鶏も肉鶏も肉豚も肉牛も乳牛も、大量の穀物を食べている。約2000万トンである。畜産製品は国産そのものが虚偽に近いものである。
法に触れなければ、収益につながるとをやるのが、資本主義である。あるいは、収益につながるために、法律を変えるのがこの国の体制である。
今回の偽装は、表記と異なるために違法行為で、偽装と呼ばれることになった。味で判ったのではなく、どうやら内部告発であったのか、弁護士の訴えで世に出たことである。味が変わらなければ、安全であればこれでもいいと、格差社会では売れるようになるであろう。
生活困窮者をたくさん作りだしておけば、安全や安心などはどこかに飛んで、価格が最も優先されることになる。政府はそれを見込んで、消費税を導入してTPPに参入すると決めたのだろうか?