甲状腺がんの検査結果が異常である。まず、甲状腺がんの発生は、100万人に2.2人の発生があると言われている。18才以下に至っては、同じく0.35人の発生であると言われている。
福島原発事故当時、特に甲状腺がんの幼児対策として周辺に配布されていたヨードが、どこも全く接種の指示もなく実行されることがなかったというお粗末な事実がある。ヨードは半減期が僅か7日ほどであり、全く対策を考えてこなかった東電や自治体は全く検査もできなかった経過がある。
典型的な内部被ばくによる幼児の甲状腺がんの発生が、危惧されていいる。左の表は、この2年足らずで19万人ほど検査を行っている結果である。対象は事故当時18才以下の子供である。がんと診断されたのが18名、疑いがあるのが25名である。計45名という驚異的な数字である。正常の200倍以上となる。(クリックすると大きくなります)
更に驚くべきことは、対象が36万人もいるということである。検査器具は当初は5台しかなかった。現在でも10台足らずであり、一日600名ほどしか検査できない。
原発は事故が起きないという思い上がりから、ヨードは配布したが何もしなかった。事故後の調査もできる体制もなかった。内部被ばくの調査も全くやる気がなかったことが、さらに不安と被害を拡大さしている。
更には、改ざんされた恣意的データーが公表されたり、甲状腺がんの発症比率がわざわざ調査した場合と、自覚症状が見られた場合と異なるなどと言う、幼児と大人を混同した医師の発表もやられている。
この医師は、この結果でも放射被ばくによるものか判明しないとまで言っている。成人の発症に比して、今回の18才未満の発症比率は異常に高く、強制調査との比較もない、意図的な医師の放言である。
今後福島での、様々ながんの発症と胎児異常などの発症が、さらに危ぶまれることになるものと思われる。それでも原発再稼働しようとする、為政者の愚かさは表現しようもない。