オバマが、ドイツのメリケル首相の個人電話を盗聴していたことがばれてしまった。メリケルは実質、EUのリーダーである。これはスノーデンの暴露によるものである。
つい先だっては、ブラジル大統領の私的な電話をオバマが盗聴していたことが判った。大統領は怒って、訪米を直前にキャンセルした。メンツを潰されたオバマは、余程後ろめたかったのであろう、一時間以上も彼女を説得したが、聞いてもらえなかった。
メリケルは、先ごろの選挙でドイツでは大きな支持をもらったばかりである。このところ内外の政策で失点続きのオバマは、よほどメリカルが羨ましかったのであろうか。メリケルはたいそう憤慨しオバマに直接電話を入れている。信頼と敬意で成り立つ同盟関係を危惧していると表明した。
このオバマの盗聴行為は強く非難されるべきであるが、犯罪ではない。アメリカにはNSC(国家安全保障会議)というものがあって、国家の必要に応じてこうした行為は可能なのである。実際スノーデンの暴露によって、世界の首脳の盗聴も日本の高官たちも盗聴されていたことも解っている。
安倍がどうしても作り上げたいのが、この組織である。特定機密法案がまずその先駆として提案される。国家がいつでも戦争ができる体制を、オバマは着々と作りにかかっているのである。
国民は国家がってこそ存在するから、国家の要望に応えなければならないと、自民党の憲法草案は謳っている。国家の利益のために、個人権利や情報が奪われる社会を作り上げなければ、戦争はできないからである。
国家の利益とは、庶民のための利益のことではない。アメリカ資本と一体化した大資本と特定の政治家の利益のことである。TPPも同じことである。