かねてから懸念されていたが、中国が遺伝子組み換え作物(GM)に本格的に乗り出してきた。GMおコメの賞味キャンペーンを開始したのである。中国各地20の都市で、1000人以上がコメとその加工品のキャンペーンに参加した。誰もが美味いと表現している。
中国が国内的に抱える最大の問題は、都市と農村の格差である。経済発展する都会と、土地を離れることを許されない地方の農民との格差は、拡大するばかりである。
かつての高度成長期の日本は、農村と食糧を切り捨てる選択を行ってきた。中国も現在そうした方向に向かいつつあり、13億の人間のこうした動向が、世界食糧の危機の引き金にもなると言われている。この20年でやっと日本の反収に追いついたコメであるが、頭打ち状態である。そこで、担い手問題もあり、GMに手を出し始めたのであろう。
中国は共産党の独裁国家である。共産党は行政はもちろんのこと司法も軍隊も支配している。彼らには検証制度がない。世論が多少あるだけである。
高速鉄道が事故を起こすと、事故車を埋めるのである。牛乳に添加物を入れたことが発覚すると処刑してしまう。
中国の大気汚染は深刻である。発がん性まで指摘されている。大連などは測定不能の大気汚染を引き起こしても、実際は対策すら打つことが出来ない。周辺国はえらい迷惑である。これ以上悪化すると、工場の責任者が処刑されて、幕引きをやるかもしれない。
この国が、短期的には障害を指摘するのが困難な、GM作物に手を出して来たのである。しかも主食のおコメにシフトしてきた。中国国民は不安を抱えているが、止める社会的ルールがない。
原発も同様である。事故が起きる迄はひたすら、原発もGMも突っ走るだけであろう。中国がGMコメに手を出してきたことに不安を覚えるのは、私だけだろうか?