アメリカ議会が与野党の攻防でこう着状態に落ちっている。共和党が予算成立を餌
にして、オバマケアーと呼ばれる医療制度を無効にしようとしているのである。
多くの人に医療制度を適用させようとするオバマケアーであるが、貧者には理由があり富める者には豊かに暮らす権利があると思っている。とりわけ医療については、差別をするのが当然と主張する人たちも多い。
長年にわたって医療制度の改革に、歴代の大統領が取り組めなかった理由が、こうした根強いアメリカ人の意識の中にある。
外交で色々と躓いているオバマである。ここぞとばかり予算案を人質にして、共和党が対決姿勢になったのである。まるで決闘のようであると、アメリカの報道機関は述べている。
このところオバマはさえない。CIA職員の情報漏えいですっかりプーチンのお株を採られて、ブラジル大統領には相手にされず、国内では言い訳に終始する弁解しかできなかった。明らかな違法行為である。
シリア空爆では結局何もできなかったに等しい。ここではロシアと中国に寄り切られた感は否めない。国内世論も、シリア空爆には賛成者が少なかった。イギリスにはしごを外されて、賛同する国が実質なくなってしまった。
アメリカ人はこうした外交の汚点が大嫌いである。国内的には、強いものはより強
く、富める者はより豊かになって当然という意識が強い。
対外的には、アメリカは常に一番でなければならない。これほど連続して外交の失点を重ね漂流するオバマを、TEAパーティや共和党は我慢できないのである。今回の議会のこう着は、そうした結果である。オバマは落としどころすら探れないでいる。もう少し長引くであろう。