詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

詩はどこにあるか(77)

2005-12-04 21:30:56 | 詩集
高橋睦郎『語らざる者をして語らしめよ』(思潮社)


 「13」。「無数」ということばが出てくる。

私の名は無数にある
いや そうではなくて
おまえたちの 私を呼び起こす
起こしかたが無数にある ということ  (32ページ)

 すべての「詩」、あるいは文学、さらには芸術のありようを定義したことばとも読める。
 私たち人間は無数に存在する。対象をどうとらえるか、対象のなかから何を引き出すか(呼び起こすか)。その数に限定はない。
 それが「無」である。
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