詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

詩はどこにあるか(87)

2005-12-18 15:00:14 | 詩集
高橋睦郎『語らざる者をして語らしめよ』(思潮社)

 「21」。死と永遠。矛盾の共存。

誰が望んで不死なんかになりたいものか
恋し 子を産み 老い 生を終える
これこそが カミの限界を超える喜び
ヒトは恋の果て 死んで永遠になる  (49ページ)


 「死んで永遠になる」。それがカミの「限界を超える」ことと同義である。
 この永遠は、定型ではない。不定形である。運動である。その運動に飲み込まれ、運動のエネルギーを吸収して、運動を拡大しつづける。持続しつづける。そうした永遠である。

 死は生を輝かしく彩る存在である。死をくぐりぬけて永遠に生きるのは、変化し、運動する精神だけである。運動する精神が「詩」である。

コメント
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