詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

情報は「公開」されているか

2022-03-25 12:12:42 |  自民党改憲草案再読

情報は「公開」されているか

 北朝鮮のミサイル発射について記事を読んだときも感じたことだが、「情報」は完全に公開されているのか、非常に疑問に思う。
 たとえば、2022年03月25日の読売新聞(14版、西部版)の2面に、コロナワクチンについて「4回目接種 5月にも/政府方針 感覚短縮 議論へ」という記事がある。
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 政府は24日、新型コロナウイルスワクチンの4回目接種を巡り、当初の想定から1か月前倒しし、5月にも始める方向で検討に入った。昨年12月に開始した3回目接種からの間隔を当初の「6か月以上」の想定から短縮するかどうかについて、厚生労働省の専門家分科会で議論する。
 専門家分科会は24日、政府が4回目接種を公費で行う「臨時接種」として準備を開始することを了承した。厚労省は分科会で、4回目も米ファイザー製か米モデルナ製を使用し、3回目との間隔は「6か月以上を基本としつつ、諸外国の動向を踏まえ改めて検討する」との案を示した。
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 すでにファイザーが「4回目接種」を米政府に要請したというようなニュースが先日あったが、読みながら思うのは、えっ、コロナ感染は終息しないのか、ということである。まだまだ拡大すると「専門家」あるいは「政府関係者」は見ているのか。
 その根拠は?
 オミクロン株のときもそうだったが、「感染力が強い」という報道があり、あっというまに感染は拡大した。感染力が強いという情報は正しかったわけだが、なんというか……そんなに危険なことがわかっているなら、もっと他の方法があっただろうと思うのに(たとえばワクチン接種を急ぐとか、規制を厳しくするとか)、どうも対策が「後手後手」になっている。
 「4回目を前倒し」という計画を持っているということは、「コロナの第6波」は確実にやってくるという「情報」がどこかにあるということなのではないのか。もしそうであるなら、それをきちんと知らせるべきではないのか。
 日本では「規制解除」政策が取られたが、それでよかったのか。
 たとえば、ここ数日の新規感染者。読売新聞の報道では、
22日、2万0231人、
23日、4万1038人、
24日、4万9930人、
 と増えている。それなのに、25日の新聞(web 版)は「都内8875人、医療提供体制の警戒レベルを引き下げ」という見出し。
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 国内の新型コロナウイルス感染者は24日、全都道府県と空港検疫で4万9930人確認された。死者は126人、重症者は前日より25人減の891人だった。東京都の感染者は8875人で、1週間前から414人増え、3週間ぶりに前週の同じ曜日を上回った。病床使用率は28・7%で、約2か月ぶりに30%を下回った。都は4段階で評価する医療提供体制の警戒レベルを最も深刻なレベルから1段階引き下げた。
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 見出しに「嘘」は書いていないが、なぜ「医療提供体制の警戒レベルを引き下げ」の方に注目させる? 「印象操作」ではないのか。
 ふつうの市民が知り得ない「情報」がどこかにあり、私たちは、その「情報」にふりまわされて「現実」を見ていないか。
 だいたい、読者が前の日の新聞を引っ張りだしてきて、ほんとうに減っているのか増えているのか確かめないといけないというのは、「情報」のあり方としておかしいだろう。
 日本の感染状況だけに限らない。累積感染者はフランスは2468万人、イギリスも2000万人を超え、あのドイツでさえ2000万人目前。隣の韓国も1000万人を超えた。この状況を分析した「情報」がどこかにあるはずだが、それが伝わってこない。
 コロナ感染のような、実際に「身近な問題」でもこうなのだから、ロシア・ウクライナ情報になると、「見えない情報」が無数にあるはずだ。
 たとえば、アメリカの軍需産業は、今回の問題でいくら儲かっているのか。(儲かると予測を立てているのか。)あるいは、スイスまでロシアへの経済制裁に参加したが、スイスの銀行でさえ、今回のコロナの影響で経営が苦しくなっているのか。
 もっと身近なことを言えば。
 ロシアからの天然ガス、石油の輸入がストップすることで、日常消費の物価はどれくらい上がるのか。ガス代、電気代だけではないだろう。きっと「想定」があるはずだ。その「想定情報」を知っているのは誰までなのか。なぜ、市民は知らされないのだろうか。
 原料の値上げを、企業は商品(サービス)の値上げに転嫁できる。赤字にならずに方法がある。しかし市民には対処方法がない。どれが適正な値上げなのかも判断できない。きっと「便乗値上げ」によってもうかる企業も出てくるはずだ。「いまは消費者が苦しいとき。企業は内部留保している利益をいまこそ市民のために提供しよう」というような企業が出てくるとは思えない。トヨタがその「旗振り」を買って出るとは思えない。連合か、企業に「内部留保を吐き出せ」と要求するようには思えない。

 ネット上ではいろいろな「ことば」が飛び交っているが、「情報」はどこにあるのか。見極めることがむずかしい。「情報」を探し出すのがむずかしい。
 私は貧乏なので新聞は一紙しか取っていないが、複数の新聞を読み比べれば何かもっとわかるかもしれない。ネット時代で「情報」があふれているようにみえるが、実際は、情報をあふれかえさせることによって、ほんとうに大切な情報を隠すという操作がおこなわれているかもしれない。

 

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Estoy loco por espana(番外篇154)Obra Luciano González Diaz

2022-03-25 11:13:45 | estoy loco por espana

Obra, Luciano González Diaz

Tiene una forma muy extraña.
Primero, pienso en una mano. Hay una paloma en la palma de su mano. Esa paloma aún no es una paloma completa. Está tratando de transformarse en una hermosa paloma.
Tiene una fuerza muy extraña.

Luciano escribe acompañando esta pieza sobre la transformación de la oruga (un gusano de seda)en mariposa.
Al leer esas palabras, imagino una mano transformándose en paloma.
Cada etapa de crecimiento tiene su propio "significado" y su propia "belleza".
No sólo es bella la forma final completada (mariposa o paloma).
La "voluntad" de transformarse en algo en sí misma es hermosa.

El anillo redondo es la tierra, pero al mismo tiempo me parece un capullo y un huevo.
Cuando pienso en lo que está ocurriendo en Ucrania en estos momentos, esta obra transmite la sensación de estar esperando el nacimiento de la paloma, la mensajera de la paz.
Luciano espera que su obra (su mano) se transforme en una paloma.
Es la mano humana la que nutre a la paloma.
Luciano espera que el arte, la belleza creada por las manos humanas, se convierta en un mensajero de la paz.


とても不思議な形をしている。
まず、手を思う。手のひらの中鳩がいる。その鳩は、まだ完全な鳩ではない。鳩になろうとしている。
そこに、とても不思議な強さがある。

ルシアーノは、この作品に添えて、毛虫が蝶に変身することを書いている。
そのことばを読みながら、私は、手が鳩に変身することを想像した。
どの成長段階にも、それぞれの「意味」があり、「美しさ」がある。
完成された最終的な形(蝶や鳩)だけが美しいのではない。
何かになろうとする「意思」そのものが美しいのだ。

丸いリングは地球だが、同時に、繭にも、卵にも見える。
いまウクライナで起きていることを思うと、この作品から、平和の使者、鳩の誕生を待っている気持ちがつたわってくる。
ルシアーノは、作品が鳩に変身することを願っている。
その鳩を育てているのは、人間の手だ。
芸術、人間の手がつくりだす美が、平和の使者になることをルシアーノは願っている。

 

 

 

 

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ニュースではなく、情報の読み方(北朝鮮のミサイル報道)

2022-03-25 10:26:51 |  自民党改憲草案再読

ニュースではなく、情報の読み方

 新聞には「ニュース」があふれている。たとえば、2022年03月25日の読売新聞(14版、西部版)の1面のトップは「北、新型ICBM級発射/最高高度6000キロ超 最長71分飛行/北海道沖150キロEEZに」という見出しと記事。ニュース(事実)は、見出しを読めば十分にわかる。しかし、私が注目したのは「ニュース/事実」ではない。
 本記に連動して「許されぬ暴挙」と岸田が批判したという記事がある。そこにこんなことが書いてある。(番号は、私がつけた。一部補足)
↓↓↓↓↓
 ①北朝鮮からミサイル発射予告はなかった。航空機や船舶への被害や国内への落下物は確認されていない。②政府は「領域内落下や我が国上空通過が想定されなかった」(松野氏=官房長官)とし、ミサイル発射などを知らせる全国瞬時警報システム「Jアラート」はつかわなかった。
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 ①の「発射予告はなかった」は、どこから得た情報なのか。書かれていない。まさか読売新聞に北朝鮮が予告してくるわけはないから、きっと、政府関係者から得た「情報」なのだと思う。次の「国内の被害は確認されていない」というのも、読売新聞が独自に調査した結果ではなく、政府関係者の発表(?)を書いている。
 さて。
 ②だが、とても奇妙だ。安倍が首相の時代、何度も「Jアラート」が発令され、ビルのなかで頭を抱える避難行動(?)が報道されたが、あれは「領域内落下や我が国上空通過が想定され」たからだということになるが……。どうして、そういうことが「想定」できたのか。
 ①とあわせて考えると、北朝鮮から「発射予告」があったから、そういうことができたのではないのか。当時も、発射日には安倍がかならず官邸にいて、すぐ記者会見をした。まるで「発射情報」を事前に把握していたのではないのか、ということが言われた。
 (私は「発射予告があった」と推定していた。どこに落下するかも、きっと「予告」があったと思う。落下物で船舶が被害を受けると問題になるだろうから、そういうトラブルは北朝鮮だって回避しようとするだろう。)
 今回は、それがなかった。なぜか。たぶん、世界の目が「ロシア・ウクライナ」に向いているので、その目を北朝鮮に向けさせるには、いままでとは違った「衝撃」が必要と北朝鮮が判断し、あえて予告をしなかったのだろうと思う。
 あるいは、北朝鮮から予告はあったが、その「情報」は不十分で、たとえば、いままでのように日本のEEZ圏外に落下すると「想定」してしまったのかもしれない。その「想定間違い」を指摘されると問題になるので(想定能力がないと判断されてしまうので)、「予告はなかった」「想定しなかった」「Jアラートはつかわなかった」という「ストーリー」を読売新聞にリークしたのかもしれない。(「予告」はほんとうはあったが、見落としていたのかもしれない。)
 問題は、ここから。
 もし、読売新聞に載っている、この「作文(ニュースの裏話)」が「事実」だとしたら、予告がなかったから適切な対処ができなかったというのが事実だとしたら、これは、もうむちゃくちゃだね。
 実際に戦争が起きれば、北朝鮮は日本対して、「〇〇へ向けてミサイルを発射する」と予告してから発射するわけではないだろう。突然、発射するだろう。そうすると、日本のシステムでは、そのミサイルがどこに飛んでくるか推測できない。「Jアラート」も発令できない。ビルのなかで頭を抱え、避難するということももちろんできない。「Jアラート」なんか、役に立たないのだ。
 「予告されなかった発射」のときこそ、あらゆることを想定し、即座に「Jアラート」を発令してこそ、「Jアラート」の意味がある。「予告されなかった」などと、平気で「内輪話」をもらしたのは誰か、そして、こんな「内輪話」をもらしてしまえば、そこからどんな問題が浮き彫りになるか考えない読売新聞の記者はどうかしている。きっと「私だけが聞き出した特ダネ」と思って、大はしゃぎで書いたのだろう。編集者も、その大はしゃぎに載ってしまったのだろう。(ウェブ版では、岸田の談話の記事の後半、つまり「予告云々」の部分は、私が読んだ限りでは省略されている。)

 さらに。
 この朝刊の記事は、かなり混乱している。この「作文」の前には、こういう事実がある。https://www.yomiuri.co.jp/politics/20220324-OYT1T50224/ 
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 政府は24日午後、北朝鮮から発射された弾道ミサイルの可能性がある飛翔体が同日午後3時35分に、青森県沖の排他的経済水域(EEZ)内に落下する見込みだと発表した。船舶への注意を呼びかけている。
 政府は24日午後、北朝鮮から発射された飛翔体が落下したとみられると発表した。
↑↑↑↑↑
 時系列で整理すると。(読売新聞の記事を参照)
①24日午後2時33分、北朝鮮がミサイル発射
②(時間不明)日本が、午後3時35分にミサイルが青森沖に落下すると注意発令
③午後3時44分、ミサイルが落下
 ミサイル発射がわかった段階で、落下地点を予測して、政府は船舶に注意を呼びかけている。それは正しい行動なのだが、では、以前は、どうしていたのか。北朝鮮がミサイルを発射した、それで「Jアラート」と発令したということは聞いたことがあるし、新聞でも写真つきで避難行動が報道されたが、「船舶に注意した」という記事は書かれていない(私は読んでいない)。つまり、「予告」にしたがい、事前に船舶には注意を呼びかけていたが、それを秘密にしていたということだろう。つまり、安倍の「Jアラート」と市民の避難活動をアピールするために、船舶へも注意してきたことを隠していたということだろう。
 少し考えてみればいい。こんな記事がある。
https://www.yomiuri.co.jp/world/20220325-OYT1T50170/
↓↓↓↓↓
【ソウル=上杉洋司】北朝鮮国営の朝鮮中央通信は25日、金正恩朝鮮労働党総書記の命令に基づき、北朝鮮が24日に新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星砲17」を試射したと伝えた。正恩氏が現地で試射の全課程を指導した。北朝鮮が24日に発射し、日本の排他的経済水域(EEZ)内の日本海に落下したミサイルを指すとみられる。
↑↑↑↑↑
 北朝鮮のやっていることは、金のことばにしたがえば「試射」であり、「実戦」ではない。「試射」で誰かが犠牲になれば(外国人が死んでしまえば)、それは大問題になる。だから、「試射」の前には「試射する」と「予告」するだろう。
 予告したのに、事故を回避しなかったとしたら、その責任の一端は回避しなかった方にある、と言い逃れができる。
 大きな犠牲が出るかもしれないときは、責任者は、それくらいのことはするだろう。

 ここからも、安倍は、北朝鮮の「予告」を自分の保身のために利用したいたことがわかるのだが(推測できるのだが)、「情報」がここまで操作されたものであるなら、私たちは、ていねいに「情報」を読み解く努力をしないと、完全にだまされていしまう。いま、何が起きているか、さっぱりわからなくなる。

 さっぱりわからなくなる、といいながら、私が読売新聞を「愛読」しているのは、今回の「予告はなかった」のような、おもわぬ「作文」が読売新聞には満載されているからだ。「私は、政府筋からこんな情報をつかんだ」と「リークされた情報」を得意になって書いているからである。政府のなかで何が起きているか、政府が何をしようとしているか、それを推測するのに、とても役立つからである。
 私の推測は「妄想」かもしれないが、私は私の「ことばの論理/自律性」を頼りに、考える。

 

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