■불후의 명작 「不朽の名作」 〇〇〇〇-
(1286)
2000年に公開された可笑しくも切ない恋愛ドラマ。
主人公は、いつの日か、自らの手で名作映画を撮る
ことを夢見ている映画監督志望の男。しかし、今は、
母親の借金と自分の生活に追われながら、ピンク
映画の監督をしている。ドジなところもあるが、
根は純粋で心から映画を愛している男だ。
その男が、すでに映画監督として成功している
大学の先輩に自分が撮りたい映画の構想を話した
ところ、1人のシナリオライターの女性を紹介
された。
△マドンナは
ソン・ユナ<映画より>
バナナ牛乳(韓国の国民的ドリンク)が好きな2人は、
すぐに意気投合する。
△美女と蛍とバナナ牛乳<映画より>
男は女性の力を借りながら、サーカス団のピエロを
主人公にした恋物語のシナリオを作っていく。
そして男は、いつしか彼女に恋をしてしまう。
△若い頃のソン・ユナは実に美しい<映画より>
シナリオがおよそ完成した頃、彼女は男を居酒屋に
誘い、酔った勢いで彼女が先輩を人知れず思い続けて
来た苦しい胸の内を明かす。
先輩が女優との結婚を発表した夜のことだった。
失意の彼女を前に、男は告白の言葉を失ってしまう。
一方、せっかく2人で完成させたシナリオではあったが、
ピンク映画出身の男に監督をまかせてくれる製作会社は
1社もなかった。
結局、シナリオは先輩の監督で映画化され、大ヒット
する。
それでも男は、映画監督になる夢をあきらめない。
ラストシーンでは、新しい映画の構想を練りながら、
これまでと同じようにピンク映画を撮っている男の
姿が映し出された。
夢にも恋にもつまづいてばかりの冴えない男の
物語ではあったが、この映画を見終わった「ヲタク」
の心は、不思議と温まっていた。
△2人の思い出の渓谷を訪ねた男は、彼女が置き去ったバナナ牛乳を見つける<映画より>
男とマドンナの未来に対するかすかな希望が余韻
として残る、なかなかいい映画であった。
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ちなみにこの映画では、女優の魅力以外にも印象に
残ったシーンがもう一つあった。
正確に言えば、それは主人公らの会話の内容だ。
△男の友人を加え、3人でアニメ談議に花を咲かせる場面<映画より>
屋台では、アニメの「名探偵コナン」や「キャンディ・
キャンディ」、そして「フランダースの犬」の思い出話で
盛り上がった。
△アニメソングを歌う友人とマドンナ<映画より>
さらに、カラオケでは「おねがい!サミアどん 」の
テーマソング(韓国語版)を歌っていた。
彼らの会話には日本の「に」の字も出てこなかったが、
いずれも元は日本製アニメである。
多くの韓国人の感性の奥深くにまで、日本製アニメが
多大なる影響を与えていることがうかがい知れる
シーンだった。
(終わり)