風のこたろう

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'09年8月~  詩吟三昧の徒然日記

詩吟ワークショップ

2016年03月04日 | 詩吟
公益社団法人関西吟詩文化協会 公認東京芦孝会会 京浜スクール主催

                ☆  詩吟ワークショップ  ☆

         お酒に因んだ漢詩を鑑賞して詠ってみましょう
  
場所  神奈川区役所本館 5階 区民活動支援センター交流室

日時  3月4日(金) 14:00~16:00


ご案内を頂いて、参加してきました。

酒を飲まない私は、酒に因んだ漢詩をどのように鑑賞して、見せてくださるかが、興味でした。

お酒に因んだ漢詩は、14。そのうち、関吟のテキストにない漢詩も選ばれていて、2時間にわたる熱弁でした。
講師は、京浜スクールの指導者のK先生。

詩吟をなさらない方へ向けての、ワークショップですから、これだけの詩を選んで、鑑賞する意味があったのでしょう。大変な労作と、感じいりました。
 
私としては、そのうちの一つでも二つでも、もう少し時間を割いて、深く掘り下げて、自分だったらこう解釈して、こう吟じるという独断と偏見もあってよいのになぁと、勝手に、思ったことでした。
主宰者側でもなく、受講生側でもなく、私的興味で参加した私は、何でもいえるのです。
すみません。

そう言えば、終了後の茶話会では、江南の春の『酒旗』の色が取りざたされていました。
それぞれの思いで、赤とか白とか言っておりましたね。

私は、おぼろげな記憶で、その時は白と答えました。
そして、今、なぜ、白かと考えたら、江南の春の次のプログラムで解説され、吟詠も聞かせていただいた「清明」の漢詩に答えがありました。

佐藤鷺照先生の愛吟集にも選ばれていて、私には、なじみの深い漢詩です。

《清明の季節なのに、雨は降りしきるものだから、酒でも飲んで、滅入る気持ちを晴らそうと、ちょうど通りかかった牛飼いの少年に、「近くに酒屋はないかい?」と尋ねると、はるかかなたに、杏の白い花が咲く村を指さした。》

という、漢詩から、牧童は、ただ、その方向を差しただけだったかもしれないが、のんべぇの旅人は、酒屋の白い旗を思い浮かべたのだろうと、私はイメージして、そのまま記憶に留めてしまったのです。

確かに、ネット検索で、『酒旗』を調べると、赤いのも、青いのも、白いのもあって、彩よく飾ってある写真がありました。

清明に登場する「路上の行人」も、江南の春の「広大に広がる江南地方の山間の村」も、目印がなければ、酒にはたどり着かないだろうし、きっと、貧しい村に違いない。
細々とたまさかに通りがかる旅人のために出す酒を扱う店も、そんなに繁盛しているわけもなく、目印の旗にとりどりの色の付いた立派な旗を作ることもできないだろう。
だから、その店の酒旗は、ありあわせの白で、おそらく、近くで見たら、薄汚れているだろう。
それでも、酒好きには、「あっ、あそこに酒店があるんだ!」とわかったときは、その白い色は、目にも鮮やかに飛び込んでくるのだろう。

さて、この解釈は、正解不正解はないのだろうと思う。

酒に喜びを感じる人の色は、たぶん「赤」だろう。
華やかなことが好きな人は、極彩色かもしれない。
それぞれの感性で、決めたら良い。
私のイメージは、杏の花の白から、ごく現実的な方向へと判断の舵が切られたけど。
本当の酒好きは、どうなの?
さしずめ甘党の私には、夏の青空にはためく「氷」の旗が一番好きだ。

数百年も前のその状況は、史実を曲げてはいけない部分と、漢詩を読んで、自分なりに、感じて表現すればよい。

あれ?この言葉、どこかで、聞いたなぁ。

あっ、須藤明実先生だ。 

漢詩について、こんな風に身に引き寄せて、語ることができるようになった。
おかげ様。 




14題選ばれた漢詩の内、五つの詩をCDの伴奏付きで、会のメンバーが吟詠されました。
参加のみなさんは、とても熱心に、受講され、模範吟詠の時には、口ずさんでいる方もいて、全く、初めてではない方も混じってらっしゃいました。

2時間の鑑賞の後、入会に興味をもって質問される方もいて、良かったなぁと、安堵。
その方が、どうか入会されますように。

これだけの、講座を開くにあたっては、準備が大変だったことでしょう。
そして、その労作を、流れるように、2時間しゃべりつくされた先生、ご苦労様でした。

またの機会に、参加させてください。

さて、夢組も、いずれは、それぞれの会に、一人ずつくらいは、会員を増やしたいと思いはじめました。
特に清瀬市松山市民センターは、とても環境の良いところですし、明けて、6年目に入るわけですから、一段落したら、3年計画くらいで、行動に移せたらよいなぁと。
まだ、文字にする段階ではないのですが、この、ワークショップに参加させていただいて、気持ちが揺すぶられました。

最近来ていただいている新人のゲストさんから受ける刺激が、とても良い方向に向いているので、それが、きっかけにもなっているのもあると思います。


教室訪問を、此の処、忘れていたのですが、違う方向で、学ばせていただきました。
そして、今までとは、違ったかかわり方もあることを見つけて、視野が狭かったなぁと思っています。




14題の漢詩
  1、元二を送る 王維  2、涼州詞 王翰  3、江南春望 杜牧  
  4、清明 杜牧 5、秦淮に泊す 杜牧  6、懐いを遺る 杜牧  
  7、山中幽人と対酌す 李白  8、汪倫に贈る 李白  9、少年行 李白 
  10、金陵の酒肆にて留別す 李白  11、飲中八仙の歌 杜甫  
  12、曲江 その二 杜甫  13、登高 杜甫
  14、酒を把って月に問う 李白  (太字の5題を吟詠)
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