幼稚園の園長は、何時もポロシャツを着て、園庭のどこかにいらっしゃる。
園児には、「園長ゴリラ」と親しみを込めて呼ばれているのは、30年余り経っても変わりはないんだろう。
園長のスーツ姿は、入園、卒園の晴れの儀式の時だけ、そして、その時も足は白いスニーカーだったと記憶しています。
園長仲間からは、不評で、園長室のデスクの後ろにどっかりと控えて、重々しくしなさいと、言われ続けたとか。
娘たちのことは、「大事にお預かりいたします。何も足さず、何も引かずにお返しいたします」と、おっしゃった。
そのころの私は、その本当の意味するところを分かっていなかった。
娘たちの特性をありのままに受け止めて、のびのびと2年間を過ごさせていただきました。
そう、ほんとうに「のびのび」と。
おかげで、今があり、それぞれの家族を大事にしながら、その子供たちも本人もいまだに素直にすくすく育ち、幸せに暮らしています。
私の周りには、そのように、オーラを発しようとしないで、内に光を留めて、ただ淡々と、自分の決めた道を歩いていらっしゃる人が、他にもいらっしゃいます。
そのような環境の中で、一番私が、何も足されず、何も引かれず、ありのままを保ちつつ、気が付いたら、後ろに何かしらが残っていて、そして、先のことを苦しまずに、できることをできるように過ごすことが出来ています。
ありがたいことと、思います。 (加筆訂正)