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熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

世界的な生命学者が吉本興行とJV・・・「お笑い」が遺伝子を変える

2005年12月09日 | 政治・経済・社会
   C&Cユーザーフォーラムで、また、興味深い話を聞いた。
   筑波大の村上和雄名誉教授の講演「良い遺伝子を「ON」にする生き方~強い思いで開花する、人の新たな可能性~」である。
   迂闊にも名前だけでよく知らなかったが、村上先生は、高血圧を引き起こす黒幕である・ヒト・レニンを、パスツール研究所やハーバード大学を出し抜いて世界最初に発見した偉大な生命科学の学者で遺伝子暗号解読の第一人者だと言う。
   最初から最後まで聴衆を笑いに捲込む素晴しい話術の持ち主でもあり、レニン発見の為に、場を回って拝み倒して集めた3万5千個の牛の脳下垂体を、ノーベル賞モノだといって学生を騙し賺して朝7時から皮を剥かせて抽出したり、涙ぐましい逸話を織り込みながら、生命の神秘について熱弁した。

   冒頭、心と遺伝子の関係を研究しており、吉本興業と一緒に、笑いが如何に遺伝子に作用するのか、「心が変われば遺伝子が変わる」「貴方の心が遺伝子を変える」と言う実証実験をしているのだと言う。
   B&Bに来てもらって、筑波で「笑いと遺伝子の公開実験」をしたら、1000人の聴衆が集まり、面白くも楽しくもない普通の大学の先生の講義の後とB&Bの漫才の後とで聴衆の血糖値を計ったら、123mgから77mgまで下がった。
   遺伝子の内、3%だけはたんぱく質を作る為に働いているが、残りの97%は眠っており、これを起こして活躍させれば、どんなことになるのか、感動、笑い、喜び、心地よさ等々人を幸せにする刺激を与えれば、幸せの遺伝子が「ON」になるのではないか。
   この実験が、アメリカの学会で報告されてロイター伝で世界に伝わったと言う。

   「笑い誘発ビデオ」を作っており、顔の笑い筋肉を活性化するのに頬の筋肉を引っ張って「タコヤキクルクルオイシイナ」とやるのだと言って実演、嘘のような話をしながら、「B&Bと言う薬は何処で売っているのですか」と聞くマヌケが居るのだと紹介する。

   世界の先哲ソクラテスもプラトンは勿論神代の時代から笑いに興味を持って研究されており、教えないのに赤ちゃんが笑うあのエンジェルスマイル・・・笑いの研究は人間の研究だが、人間の脳を覗き込めないので、笑いでどの遺伝子が動くのか、ネズミの脳4万個を使って研究中とか(ネズミは、笑うんですかねえ)。

   自分の研究で、例外があるのを発見したのは、めぐみさんの母親横田早紀江さんに会って、「娘は絶対死んでいない。命に代えても取り戻す」と言う強い確信と、「日本を凛とした正義の国にしたい」と言う強い信念に打たれた時で、逆境を乗り越えた凄さや厳しい環境が、人間の遺伝子を「ON」にするのだと感じた、と言う。

   偉大な科学的な発見の中で、この世には、人智を超えて世界を統べているSOMETHING GREAT(サムシング・グレイト)が存在するのだと感じて感動したと言う。
   人は死ぬまで遺伝子と付き合わなければならないが、1グラムの2000億分の1の人の遺伝子ゲノムの中に、30億の文字が書き込まれていて人間の生命を司っている、いったい、誰が書き込んだのか。
   神や仏でないならば自然界にある目に見えない人智を超越した偉大な何かが書き込んだのだろうか。
   人間は母親の胎内で、生命の38億年の遍歴を38週で完結して生まれてくるが、いくら偉大な人間でも、たった一つの細胞さえ自分で創り出す事が出来ない無力な存在である。
   人間が生きていると言うことはただごとではない。
   SOMETHING GREATは、人類継承のテーマであり、この追求は科学者の使命であり、自分はそのメッセンジャーでありたい、と言う。
   偉大な科学者ほど、自然界の神秘と壮大な秩序に感動して、人智を超えた超自然の存在とその摂理を感じられるのであろうと思う。


   日本人には、「おかげさま」「もったいない」「いただきます」と言う素晴しい文化がある。21世紀は日本の世紀だとも言う。

   前述したヒト・レニンの世界的発見やイネの遺伝子解明研究の話など実に興味深かったが、示唆に富んだのは、ナイトサイエンスの話で、アフターファイブに酒を飲んだりして気が緩みリラックスした時の、科学者の直感、霊感、閃き等が偉大な科学的発見に結びつくことがあると言うことである。
   学生の頃に、湯川秀樹教授の学内の講演で、素粒子理論の発見の時の閃きについて聞いたのを思い出した。
コメント
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