熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

.ユビキタス・ユートピアに向けての坂村健教授の自信・・・TRONSHOW 2006

2005年12月15日 | 政治・経済・社会
   12月16日まで、東京国際フォーラムで、坂村健教授が主導するトロンショウ2006が開催されている。
   客足は比較的少ない地味なショウだが、シンポジュームと合わせて、新しい日本の進むべき道を暗示する貴重な催しである。

   坂村教授の基調講演「ユビキタス始動!」を聞いた。
   機会を見ては坂村教授の講演会には参加してトロンの行くへを追っかけているが、少しづつ坂村教授の講演のトーンが変わってきており、今回など、トロン技術の躍進と社会の認知とバックアップに支えられて、自信に漲った講演に変わっていた。
   10年以内に、何処でも何時でもICタグが随所に嵌め込まれてトロンの世界が遍く広がっていると言う。
   特に、今回は、この後の講演でも、日本政府の各省や大学人のトロン技術の応用に対する取り組みについて詳細に説明されたり、会場でもその実証実験プロジェクトについて展示をするなど熱心であったので、日本的なプロジェクトとして育ちつつあるのを強く感じた。
   特に、総務省、農水省、国交省等の「ユビキタス社会の社会インフラに向けて」の取り組みが、その方向を示している。

   坂村教授は、目的は、「最適制御」、社会プロセスの効率化と自動化だと言う。
   日本は、今年で人口減少が始まり、極端な少子高齢化社会に突き進んでおり、世界全体もその動きを加速し始めた。
   人口バランスが崩れて行きつつあり、高齢者を十分助けられなくなる社会になると、高齢者中心の社会インフラの整備は必須となる。
   例えば、自律移動支援プロジェクトなどが、街歩きを安全に誘導する。

   安全・安心の為の技術の基盤を開発する。平和日本が、軍事技術ではなく、国家安全保障として開発する貴重なプロジェクトだと言う。

   それに、坂村教授は、開発したICタグ、トロン技術については、当初よりすべて、無料のオープン・アキテクチュアを貫いていて、オープンな社会インフラであることが一番重要だと言っている。
   何に使っても良い、この技術を活用・応用して事業化し、企業が利益を上げるのは大いに結構と言う。
   社会インフラとして普及すればするほど、低コストとなり、新しい発想を誘発して新サービスが生まれて社会を豊かにする。
   ボランティアから商業利用まで、組織を超えて、会社を超えて、国を超えて、
坂村教授の夢は限りなく広がって行く。

   どんなICタグでも読み取るマルチプルリーダーを開発した。
   これをかざせばどんなタグも読める、携帯電話と融合すれば、これ一つで、何処へでも安心して出かけられる。
   そんな社会がそこまで来ているのであろうか。

   会場で、メロンにタグをつけて、出荷配送から受け取りまでの実験を体験したが、まだ、開発段階ながら、非常に興味深かった。
コメント
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