東京駅の再開発計画が進んでいる。
東京駅の丸の内のレンガ造りの駅舎を、戦争で吹き飛ばされた3階部分を復元して創建当時の姿に戻し、駅前広場を整備し、駅前広場から皇居に至る御幸通りまでを統一された景観地区にする。
更に八重洲側広場の南北に40階建て規模、200メートル級の高層ビルを2棟建てる。
伊藤元重教授とのインタービューで、JR東日本の大塚陸毅社長はこう言っている。
アムステルダムの中央駅に似た駅として有名だが、当初の駅ならまだしも、今の駅舎では、外観の美しさは月とスッポンほどの差があり、日本の鉄道駅舎は、世界的にも美的水準はあまり高い方だとは思えない。
勿論、ヨーロッパの駅舎も色々で、宮殿のような芸術的価値の高い駅もあれば、鉄骨支柱剥き出しの工場のような駅もある。
ワシントンの駅舎など国家行事にも使われており、壮大な駅舎がショッピングやレストラン等を併設した公共の場として賑わっており、また、パリのオルセー美術館は元の美しい駅舎を改造したものである。
欧米の大都市の駅は、日本のように通過駅ではなく、大体、ターミナル・ステーションとなっていて、列車が入って来て出る時はバックする終着駅システムなので、駅舎もデザインなり計画し良いのかもしれないが、駅を見るとその国の個性が見えて面白い。
さて、本コラムの目的は、最近様変わりしたJRの大型駅でのショッピングやレストラン等の「駅中ビジネス」についてである。
私が最初に変化に気付いたのは上野駅で、地方のみやげ物などを並べて売っていたワゴン車のような売場が、大きな書店やレストランに変わって一寸した買い物や会食は乗り継ぎの合間に済ませられるようになった。
寅さん映画に出てくるうらぶれた感じの暗い雰囲気の駅舎の改札の外の建物内部も改装されて、華やかな店が入りレストランが並んで、一寸した地下街風の一大アムーズメント・ゾーンに変わってしまったのである。
一時、イラン人が群がっていた上野公園周辺は、まだ、多くのブルーのテントが残っているが、上野駅上から公園前にかけて整備され、それに、美術館や芸大等学術文化施設が改築・改装されて、文化の中心上野の面目を取り戻しつつあり、これと呼応した上野駅中ビジネスの活性化は、実に望ましい。
広い東京駅も、入り組んでいて道に迷うが、駅中には夥しい数の店や飲食店が軒を並べており、大概の物はここで調達可能であるし、それに、時間つぶしには事欠かない。
JRが、民営化されて生き抜くためにはどうしたら良いかの考えて、はじめて、「最高の場所に膨大な顧客を抱え込んでいる」「大変な経営資源・膨大な顧客をビジネスモデルが間違っていた為にみすみすドブに捨てていた」事に気付いたのである。
私鉄の駅には昔から百貨店が併設されていたが、これも消極的で、郊外の宅地開発など不動産事業には熱心であったが、なぜ、人が駅に集まってくるのか、駅に何があってどのようなサービスを提供すれば、顧客が喜びビジネスになるのかと言う発想はなかった。
イギリスの囲い込み運動ではないが、一度抱え込んだ客に、あらゆる可能性を検討してモノとサービスを提供してビジネス・チャンスを創設することである。
名古屋駅や京都駅に巨大な駅ビルのコンプレックスが出来て、商圏が変わり、老舗のショッピング・ゾーンに異変が起こり駅ビジネスが活性化していると言う。
特別なショッピングセンターやアムーズメントセンター、或いは、特別な付加価値とブランドネームのあるスポットなら別だが、人が集積する駅に勝る場所はあり得ないのである。
大宮駅の線路の上に人工地盤を創ってその上にスペースを確保して商業ゾーンを創ったと言う。
一番価値のある、駅に至近距離の空間を遊ばせておくなんて愚の骨頂であり、有効活用は必須であり、それを可能とする技術は日本には十分ある。
あのロンドンのシティ政府は、路上を貸して人工地盤を作らせて都市開発を推進しており、平坦な筈のシティを車で走るとない筈のトンネルが結構多い。開発と同時に、地代をも儲けているのである。
駅中ビジネスは、駅舎を有効活用してビジネス・チャンスとしている例であるが、自動改札システムの延長であった筈のSuicaが、ショッピングカード、決済カード等として色々な新しい展開を始めている。
駅を利用する膨大なお客がJRの抱え込んでいる顧客であり、Suicaであろうと何であろうと、この顧客を縦横に活用しない手はない。
表現は悪いが、ほって置いても集まって来て必ず改札を通ってゆく鴨葱を一網打尽、考え方によっては、これほどマーケティングやセイルスプロモーションの努力をしないで済むビジネスは他にはない。
発想を変えればいくらでもビジネス・チャンスは転がっているはずである。
日本政府は、ダメ国鉄を民営化して、大変な資産、駅と言う膨大な人の集積する途轍もない資産を顧客付きでJR各社に与えた。それが、資産であることに気付いているかどうかがJRの将来を決する。
郵政民営化も、正にこれ。独占的な事業の総てが、郵政公社に譲渡された。これを、重要な資産として認識して、上手く活用してビジネス・チャンスを摑めるかどうかに懸かっている。
東京駅の丸の内のレンガ造りの駅舎を、戦争で吹き飛ばされた3階部分を復元して創建当時の姿に戻し、駅前広場を整備し、駅前広場から皇居に至る御幸通りまでを統一された景観地区にする。
更に八重洲側広場の南北に40階建て規模、200メートル級の高層ビルを2棟建てる。
伊藤元重教授とのインタービューで、JR東日本の大塚陸毅社長はこう言っている。
アムステルダムの中央駅に似た駅として有名だが、当初の駅ならまだしも、今の駅舎では、外観の美しさは月とスッポンほどの差があり、日本の鉄道駅舎は、世界的にも美的水準はあまり高い方だとは思えない。
勿論、ヨーロッパの駅舎も色々で、宮殿のような芸術的価値の高い駅もあれば、鉄骨支柱剥き出しの工場のような駅もある。
ワシントンの駅舎など国家行事にも使われており、壮大な駅舎がショッピングやレストラン等を併設した公共の場として賑わっており、また、パリのオルセー美術館は元の美しい駅舎を改造したものである。
欧米の大都市の駅は、日本のように通過駅ではなく、大体、ターミナル・ステーションとなっていて、列車が入って来て出る時はバックする終着駅システムなので、駅舎もデザインなり計画し良いのかもしれないが、駅を見るとその国の個性が見えて面白い。
さて、本コラムの目的は、最近様変わりしたJRの大型駅でのショッピングやレストラン等の「駅中ビジネス」についてである。
私が最初に変化に気付いたのは上野駅で、地方のみやげ物などを並べて売っていたワゴン車のような売場が、大きな書店やレストランに変わって一寸した買い物や会食は乗り継ぎの合間に済ませられるようになった。
寅さん映画に出てくるうらぶれた感じの暗い雰囲気の駅舎の改札の外の建物内部も改装されて、華やかな店が入りレストランが並んで、一寸した地下街風の一大アムーズメント・ゾーンに変わってしまったのである。
一時、イラン人が群がっていた上野公園周辺は、まだ、多くのブルーのテントが残っているが、上野駅上から公園前にかけて整備され、それに、美術館や芸大等学術文化施設が改築・改装されて、文化の中心上野の面目を取り戻しつつあり、これと呼応した上野駅中ビジネスの活性化は、実に望ましい。
広い東京駅も、入り組んでいて道に迷うが、駅中には夥しい数の店や飲食店が軒を並べており、大概の物はここで調達可能であるし、それに、時間つぶしには事欠かない。
JRが、民営化されて生き抜くためにはどうしたら良いかの考えて、はじめて、「最高の場所に膨大な顧客を抱え込んでいる」「大変な経営資源・膨大な顧客をビジネスモデルが間違っていた為にみすみすドブに捨てていた」事に気付いたのである。
私鉄の駅には昔から百貨店が併設されていたが、これも消極的で、郊外の宅地開発など不動産事業には熱心であったが、なぜ、人が駅に集まってくるのか、駅に何があってどのようなサービスを提供すれば、顧客が喜びビジネスになるのかと言う発想はなかった。
イギリスの囲い込み運動ではないが、一度抱え込んだ客に、あらゆる可能性を検討してモノとサービスを提供してビジネス・チャンスを創設することである。
名古屋駅や京都駅に巨大な駅ビルのコンプレックスが出来て、商圏が変わり、老舗のショッピング・ゾーンに異変が起こり駅ビジネスが活性化していると言う。
特別なショッピングセンターやアムーズメントセンター、或いは、特別な付加価値とブランドネームのあるスポットなら別だが、人が集積する駅に勝る場所はあり得ないのである。
大宮駅の線路の上に人工地盤を創ってその上にスペースを確保して商業ゾーンを創ったと言う。
一番価値のある、駅に至近距離の空間を遊ばせておくなんて愚の骨頂であり、有効活用は必須であり、それを可能とする技術は日本には十分ある。
あのロンドンのシティ政府は、路上を貸して人工地盤を作らせて都市開発を推進しており、平坦な筈のシティを車で走るとない筈のトンネルが結構多い。開発と同時に、地代をも儲けているのである。
駅中ビジネスは、駅舎を有効活用してビジネス・チャンスとしている例であるが、自動改札システムの延長であった筈のSuicaが、ショッピングカード、決済カード等として色々な新しい展開を始めている。
駅を利用する膨大なお客がJRの抱え込んでいる顧客であり、Suicaであろうと何であろうと、この顧客を縦横に活用しない手はない。
表現は悪いが、ほって置いても集まって来て必ず改札を通ってゆく鴨葱を一網打尽、考え方によっては、これほどマーケティングやセイルスプロモーションの努力をしないで済むビジネスは他にはない。
発想を変えればいくらでもビジネス・チャンスは転がっているはずである。
日本政府は、ダメ国鉄を民営化して、大変な資産、駅と言う膨大な人の集積する途轍もない資産を顧客付きでJR各社に与えた。それが、資産であることに気付いているかどうかがJRの将来を決する。
郵政民営化も、正にこれ。独占的な事業の総てが、郵政公社に譲渡された。これを、重要な資産として認識して、上手く活用してビジネス・チャンスを摑めるかどうかに懸かっている。