熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

生き物の万華鏡写真・・・ニコンサロン・大関通夫写真展

2005年12月13日 | 展覧会・展示会
   今日、歌舞伎座へ行く途中、東銀座のニコンサロンによって、大関通夫氏の「生物百色眼鏡」と言う写真展を見て来た。
   このサロンは、大体、モノクロ主体で社会派の写真家の、ドキュメンタリー・タッチの社会の真相を抉った写真が多くて、何時も暗い印象を持って帰る。
   虚実皮膜、歌舞伎では、乞食でも錦の衣装を付けるが、私は、芸術は嫌悪感を与えてはならない、本来美しくなければならないと思っているので、あんまり、この方向には賛成ではないが、教えられることが多いのも事実であり、良く出かけて来る。
   しかし、今回は、全く違って、花や野菜、或いは、蝶や木の実と言った生活の場に有るおなじみの材料を万華鏡風に写した綺麗な写真展であった。
   これ等の物体が、美しい蹴鞠のような球形の美しい世界を作り出しているのである。

   写真家の大関通夫さんに聞いてみたら、どうして写したのか教えてくれた。
   そして、実際に自分が製作した万華鏡を使って綺麗な画像を見せてくれたのである。

   丁度、顕微鏡写真を撮るように、カメラと被写体の間に鏡を置いて写す。
   鏡は、三面の鏡を貼り付けての手作りで、三角錐の頭を切ったような形で、先の部分の巾は2センチ、開いた方が10センチ、鏡の胴の長さは25センチである。
   普通の万華鏡のように3面の鏡が同じ巾でなく3角錐の形になっているので、像が収斂して美しい球体の像を結ぶのである。
   普通に撮影した花などのポジフィルムに鏡の先を当てて覗き込むと、美しい花の万華鏡が展開される。
   鏡を動かすと、像が生き物のように変化する。
   鏡の上からカメラを向けて撮影する。
   ピントを、ポジフィルムの像に合わせて、F8で30分の1秒程度でデジカメのシャッターを押すと綺麗な写真が写せると仰る。

   ピントは全体にシャープなので、実際に像は横の鏡に映っているように見えるが、それは、虚像なので、ポジフィルムにピントを合わせれば、全域に合うと言うことであろう。

   この写真は、ルピナスの花であるが、兎に角、曲がって売り物にならないキュウリが素晴しい芸術に変身するなど、何時も見慣れているものが、全く違って見える。
   この世の中も、もう少し見方を変えれば、素晴しく見えるのかもしれない。

   この日は、数寄屋橋の富士フィルムのサロンにも寄ったが、ここは、富士営業写真コンテストをしていた。
   街の写真屋さんが写した得意のポートレートなどが展示されていて結構興味深く見せて貰った。
   金賞は、「喜びの日を待つ時」で、若い妊婦が、少し張り出したお腹を見ながら幸せそうに笑いながら覗き込んでいる横からの写真で、実に微笑ましい。
   何時も、同じく東銀座のキヤノンサロンにも行くのだが、歌舞伎の開演時間に間に合わなくなったので別の日に行くことにした。
   
コメント (1)
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