熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

「2010年国民読書年推進会議」に自民幹部揃い踏み

2008年11月20日 | 学問・文化・芸術
   6月6日に超党派で衆参両院で採択された「2010年国民読書年とする国会決議」を受けて、文字・活字文化推進機構が開催した推進会議発足の集いに、自民党の錚々たる面々が来賓挨拶に登壇し、何時ものように公務のためにと言って即座に退席して帰って行った。
   霞ヶ関に近い日本プレスセンター・ホールが会場とは言え、塩谷立文部科学大臣、細谷博之幹事長、川村達夫官房長官、中川秀直衆議院議員と言う自民党の重鎮が、夫々関連組織の会長を引き受けているとは言え、やはり、文化でも、トッププライオリティの課題となると足を運ばざるを得ないのであろうか。

   当日は、福原義春会長の挨拶の他、阿刀田高氏挨拶や、安藤忠雄氏の講演を含めて1時間と言う凝縮されたプログラムであったので、それなりに充実していたが、
   先生方の話は、文化や文字や読書など、日本の将来のために大切だと能書きは勇ましいのだが、殆どありきたりの話で、演説などで、文字の誤読、読み違え、解釈間違いを犯して失敗したと言う話で聴衆を笑わせていた。
   このブログで、参院で40年の「五車堂書房」の店主が最近の議員の読書について、「勉強不足、本当の読書家いないね」と言っていたと言う日経の記事についてコメントを書いたことがあるが、その時、日経が議員たちに読書について聞いて書名などを列記していたが、到底、日本の国を背負って国政を担っている人物たちの読書とは思えないようなお粗末さであった。
   多少、見栄を張って良い格好をして回答したとするのなら、なおさら情けない限りであるが、来賓挨拶を聞きながら、どんな気持ちで、若者の文字離れを憂い、日本国の国語文化の将来を慮っているのか、甚だ疑問を禁じ得なかった。

   細田幹事長は、父親が読書好きで万冊の本に埋もれながら読書に勤しんでいたと言う話をした後で、麻生首相が、原稿を読み飛ばした話をとやかく言うのはどうかと言って笑わせて首相のマンガ好きの話をしながら、そんな人柄を見込んでお仕えしているのだと語っていた。
   中川氏は、誤読や解釈間違いの経験を冗談交じりで語り、その日、ゴア元副大統領との昼食会で、オバマ次期大統領の話が出たのだが、オバマ氏のシカゴでの大統領当選スピーチを全文英語で読み、同じアメリカは一つだと言う言い方にしても、あれだけ豊かで内容のある卓越した演説が出来るのには感服したと述べた。(日本の政治家は、足元にも及ばないと言うニュアンスを込めて。)

   ところで、わが総理大臣閣下だが、週刊新潮が、
   「学習院の恥」だとOBも見放した「おバカ首相」麻生太郎 マンガばかり読んでいるからだ!
   と言う大見出しで記事を書いているらしいのを、電車の吊り広告で見た。
   語ることは何時も威勢が良いのだが、今回の医師にたいする失言にしても、知的な香りが全くしないことは事実である。叔父さんは、偉大な英文学者吉田健一氏なのだが。
   スタンフォードとLSEで何を勉強して来たのであろうか。
   ウイキペディアの麻生太郎の記事で、国会での文字の誤読の酷さを列記しているが、文字・活字文化推進機構は、大臣にどう物申すのであろうか。
   私は、マンガは読まないので、ゴルゴ13など、ルビがふってあるのであろうか。
   この調子では、ブッシュ大統領の演説程度の格調さえも備えられない国会演説しか聴けそうになさそうである。
   
コメント
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