半分教師 第46話 「インド青年文化訪問団6 ラビンドラバラティ大学」

今回は、26才の時に書いた文をそのまま載せることにする。

「ラビンドラバラティ大学」
インドの詩聖「タゴール」所縁(ゆかり)のラビンドラ・バラティ大学。

カルカッタの街の中にある思いのほか小さな学び舎。レンガ色をした何か懐かしい感じのする大学。そんな故郷のようなキャンパスで日本のことを学ぶ女学生に出会った。キラキラと輝く湖のような瞳で、日本について知っていることを私達に楽しそうに語ってくれた。

和やかな懇談の中、一人が「もみじ」を歌えるということで、居合わせた全員が声をそろえた。

「秋の夕日に 照る山 紅葉・・・♪」

言葉を越えた温かいものが一堂の胸をつつみ込むような一瞬であった。

そんな時、この歌を歌いだした彼女が言った。

「教師はみんな、芸術家であると思う。」

なにげない一言の中に、タゴールの精神が脈々と受け継がれていることを垣間見たような気がしてならなかった。

日本の教育界は知識偏重の傾向をいまだに破ることができず、教師も児童・生徒もともに混迷しているが、宇宙と人間(生あるもの)を調和させる柱として、教育に芸術を重んじたタゴールの教育観に学ぶところは非常に大きいのではないだろうか。

私はこの出会いの直前に、タゴールが病床に伏していた、そしてそこで亡くなられたという部屋にいた。広さで言うと約十畳程度の部屋で、とても質素な感じのする部屋である。しかし、この部屋があの有名な詩
「窓を開けよ!碧空をさえぎるな!」
の舞台だと思うと、「生きる」ことへの激闘を繰り返し、その激闘の中から永遠性を求め抜いた偉人の姿が目に浮かぶような気がして不思議であった。

女学生達と固い握手を交わし、「See You Agein」の挨拶の裏に、「いつか必ず共に平和のために」との思いを込めて、私達は帰途についた。ラビンドラ・バラティ大学の人たちはいつまでもいつまでも手を振って見送ってくれた。

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