【教務主任通信(11)】 ドラッガーの言葉から教育を考える(2)

(4)自分はここで何を貢献できるかを考えよ

 教師という学校組織の一員として考えた場合には、この学校の中で学校経営方針を実現していくために自分はどんな貢献ができるかを考えることが成功法則に乗ることになります。また、もっと広い視野で物事を考えた場合には、江東区の教育、東京の教育、さらには日本の教育に対して、自分はどう貢献していくかを考えていくこと。このようにより大きな視野に立つことを「抽象度を上げる」と言います。抽象度の高いことに貢献する。そこに自分自身の使命を自覚できた時、自分の想像を超えるパワーが発揮される。そんなしくみが脳の機能にあります。
 児童の立場で考えていくと、「この学級に、この学校にどう貢献するか」ということを考えるようになると、隠れた能力を発揮するようになります。よくスポ根ドラマで、不良生徒が部活に目覚め、「このチームのために俺は二度と問題を起こさない!」と立ち直っていく姿を見ますが、これこそ組織に貢献する気持ちが開かれたものですね。



(5)昨日を捨てよ

 昨日起こったことはもう二度と取り戻せません。くよくよ悩んでもどうにもできません。また成功したことでもそれはすでに過去のことです。過去に捉われたらいけません。年寄りは過去に生きる生き物であり、青年は未来に生きる生き物です。80歳になっても「まだまだこれからだ!」と言って、バリバリ働いている人は青年ですし、10歳であっても未来を見つめない、希望を持っていない人は精神的な老人なのです。
 今日を、明日を、3年後、7年後、10年後を、未来をどう生きるか。これこそ本当の意味での「キャリア教育」であり、そういう習慣を持っている人こそドラッガーのマネージメントができている人と言えるわけです。
 学級においても、昨日よりも明日のことを考えて、どんどん前進していけると良いので、そのためには「うちの学級はあの山の頂上を目指して登っているんだよ。」という共通のゴール意識(目標意識の共有)があるかないかでまとまりも変わってくるはずです。



(6)物事は人が思ったり、言ったりすることの2倍はかかる

 この言葉を言いかえて「児童は教師が思ったり、言ったりすることの2倍は時間や手がかかる」としてみたらいかがでしょうか。授業のことから自分自身に問いかけてみましょう。
Q:授業の中で児童が考えたり作業したりする時間は十分に取っていますか?
Q:大人の作業感覚で指導をしていないでしょうか?
Q:個別指導のひきだしを複数用意しているでしょうか?
Q:短い期間に結果を求めていないでしょうか?長期計画を立ててスモールステップで指導をしているでしょうか?
Q:児童の小さな達成を確実に、適切に、タイムリーに評価しているでしょうか?
とにかく私たちが相手にしている“顧客”は小さな子どもたちですから、指導する私たちはおおらかに、10個言ったうちの1個でもできたら良しと思うくらいの感覚でいた方が良いかもしれません。


読んでいただきありがとうございます。
できましたら応援の1クリックをお願い致します。


にほんブログ村 教育ブログ 小学校教育へにほんブログ村
にほんブログ村 教育ブログへにほんブログ村

マインドマップで作文すらすらワーク (ドラゼミ・ドラネットブックス)
クリエーター情報なし
小学館
コメント ( 0 ) | Trackback (  )