【教務主任通信(8)】良い授業の条件

今日紹介するのは私が書いた文章ではありません。国語教育の大家である今井鑑三先生(1908年生~1993年没 奈良女子大学文学部附属小学校にて、教諭、主幹、教頭を歴任。小学校国語科教科書編集委員(昭和23年~平成4年版)児童文庫「手のひら文庫」監修者)が示されたものです。


【良い授業の条件】

①授業における指導の目的が明確で、その展開に筋が通っている。(論理性)

②学習活動が効果的に組み立てられている。(構造化)

③授業の進行に動きがあり、豊かな内面活動が見られる(生動性)

④学習の方法を学ぶ授業になっている(学習力)

⑤全員参加のよい学習集団が組織されている(共存感)

⑥一人ひとりその子なりの力がついている(個別化)

⑦教師の出番と出方が適切である(機動力)

⑧教師自身が納得できる授業である(自己評価)



【ここから私の解釈を入れます】

①授業には「ねらい」があり「評価規準」があり「指導計画」があってこそ成立します。どれかひとつでもお座なりにすると、筋の通った授業にはなりません。

②授業の流れを「フローチャート」で書けるようにして下さい。単一的な流れの授業は学習に支援を必要とする子どもたちに苦痛を与えてしまいます。全児童の興味をひくような授業を続けることです。

③児童の心に揺さぶりをかけるような授業が良い授業です。例えば先日、低学年のダンス練習の時、N先生ははじめに授業の「ねらい」をおさえ、「自己評価基準」を児童に明確に伝え、練習の流れに「見通し」を持てるようにし、「モチベーション」を最高にあげて練習を始めました。見事な指導性だと感動しました。

④昨年度、本校で研究した「学習シートブックへの書き込み」が学習方法を学ぶひとつの事例です。

⑤要するに全員での「学び合い」ができる集団に育てているかどうかということです。

⑥個別化の指導を効果的に行うためには、「その子の支援計画・育成計画」が担任の頭に入っていないと難しいと思います。一人ひとりへの指導も場当たり的なものではなく計画的・継続的に行いましょう。

⑦言わなくてもいいことを言ってしまったり、子どもの出番を教師が奪ってしまったりしてはいけません。

⑧良い授業ができた時には、教室は何ともいえない空気感に包まれるものです。記憶に残る授業をしたいですね。



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