春はダイヤ改正や路線の廃止に合わせていろいろな車両が消えて行く別れの季節。この趣味をやっていると、桜と列車の組み合わせが待ち遠しい以上に、悲しさが先に立つものです。
そんな中、最近になって静岡方面から非常に地味……な別れの報せが入ってきました。それはあと数日の命となった静岡支社の113系と123系? いやいや、それもあるのですが (T_T)、本当に知る人ぞ知る存在として長らく静岡鉄道の長沼車庫の片隅で姿をとどめていたクモハ20が、この18日限りでついに解体されることになったというのです……(号泣)。
このクモハ20は、スタイルを見れば一目瞭然、もと鶴見臨港鉄道のモハ100形で、鉄道省による戦時買収を経てしばらく買収国電として走ったのち静岡鉄道に売却され、1980年代に入ると廃車となりました。しかし、その後20数年にわたって長沼の入換機械扱いとしてひっそりと活躍し、年に一回の車庫公開の際には↑こんな感じで遠巻きに撮影することも出来ました。
しかし、製造からすでに77年、機械扱いということで念入りな補修はなされないまま老朽化は加速してゆき……このシーンを撮った時点でも相当ボロボロでした。そして最近の金属価格高騰が、ついに解体を静鉄に決断させたのだろうと予想しています……。
今やこのクモハ20は、銚子電鉄デハ301や熊本電鉄のモハ71と並んで買収国電の最後の3両となっていましたが、こうして買収国電の歴史が幕を閉じるのですね……(-_-;;)。
18日までは電話で予約すれば撮影可能だそうですが、果たして行くヒマを確保できるかどうか……自分の超多忙をうらむのみです (>_<)。
ついでにおまけに、こちらは静岡鉄道の秘宝・デワ1です。この車両ももちろんとっくの昔に除籍されており、しかもバッファーつきで簡易な連結器しか装備していないことから、ふだんは入換には全く用いられず、車庫の奥で眠っているようです。それでも、いまや銚子電鉄のデキ3と同じようなマスコット的存在感はたっぷりですので、イベントが開かれると主役として目立つ位置に展示されます。この手の電動貨車は本当に貴重で、御開帳して頂けるだけでも「ありがたや〜」といった気分なのですが、静鉄の車庫イベントはあくまでファミリー向け。車両の周囲から親子連れがいなくなる瞬間を待ち続けるのは本当に忍耐そのものです。しかも真夏でしたし……(@_@;)。いずれはこの車両も、もっとサイド気味の位置から、順光orフラットな光線という好条件のもと、親子連れを一切気にせずに激写してみたいものです。
……と言いますか、何故このイベントのときにクモハ20も撮りやすい位置まで引っ張り出してくれなかったのか……と (-_-)。まあ、何事もそう簡単にうまく行くわけではないことは百も承知です (^^;)。