地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

駿河の国の池上線 (?)・静岡鉄道1000系

2007-03-20 16:24:00 | 地方民鉄 (東海道)


 今回の静鉄クモハ20さよなら訪問にあたっては、ついでに静鉄1000系の走行シーンを初めて撮影してみることにしました。東急7200系の静鉄版である1000系を、むかしRP誌の甲信越・東海地方私鉄増刊号 (1984年) で目にした当時は「正面がのっぺらぼうで面白くも何ともないなぁ」と思ったものでして (^^;)、むしろ静鉄長沼工場製の300形 (→福井鉄道へ行き昨年廃車) や、その釣掛バージョンである350形 (→日立電鉄へ) の方が、如何にもオリジナリティにあふれている車両に見えたものです。しかも、80年代中頃には全ての現役車両が1000系になってしまい、静鉄自体に面白みが全く感じられなくなっただけでなく、その後90年代には個人的に非鉄期でしたので、結局はじめて静鉄を訪れたのは約4年前のことでした。
 この時点ではすでに、正面の斜めラッピングラインが入っており、「しまった、何もない方が良いなぁ……」と思ったのですが、今さらあたふたしても仕方がなく (^^;)、長沼車庫イベントで展示された編成を撮り、東急7200系そのものな乗り心地を楽しんだのでした。



 しかし今や、東急池上・多摩川線7600系の命運が怪しくなり、地方私鉄各線に転じた7200系も次第に古さを増しつつある中、全列車7200系もとい1000系を使って、昼間でも6分間隔の頻繁運転を行っている静鉄は、まさに古き良き池上線……という雰囲気すら漂っているんですよね……(*^^*)。しかも、どの駅も狭いホームにホームドアならぬ保護柵あり、ICカード (LuLuCa) 対応の自動改札あり、それでいて構内横断踏切あり……ということで、池上線との違いはもっぱら色や両数、そして1500Vではなく600Vであることぐらいしか感じられません (そんなことはない? ^^;)。
 というわけで、東海道線を草薙で下車し、徒歩1分で静鉄草薙駅に向かったついでに (撮り鉄訪問でしたら、新清水や新静岡よりも、絶対に草薙乗り換えの方がオススメ。東静岡→長沼徒歩も割とすぐです)、駅すぐそばの線路脇でしばし撮影に励んでみました。
 ドア脇の広告ラッピング……これはまあ仕方がないとして (ない編成もありますが、この日はすでに入庫 T_T)、順光側にケーブルがいっぱいあって影が落ちまくりだったのは何とも頭痛の種 (-_-メ)。せっかく富士山バックで、如何にも駿河の国らしい完璧な構図なのですが……。もちろん、晴れていなければ確かに富士山を写し込めないので、これはこれでまあ良いのかも知れません。
 ともあれ、こんな感じで東急7200系ノリを楽しむことが出来るのが静鉄1000系ですが、早いもので、集中冷房車 (非冷房で登場し、のちに冷房改造) は登場から既に30年以上経っており、車内の化粧板などが朽ち始めているのも事実です。ここもそのうち東急から1000系を購入する可能性は否定できないなぁ……静鉄1000系は脳裏ではずっと新型のままなのに、年月が経つのは本当に早いなぁ……という思いが駈けめぐらずにはいられないのでした。