地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

静岡の消えるマルーン (下) 天浜線そよかぜ号

2007-03-14 14:27:00 | 地方民鉄 (東海道)


 静岡県内の本当に知る人ぞ知る (?) 鉄道車両として個人的にかねてから注目していたのが、天竜浜名湖鉄道のトロッコ客車「そよかぜ号」です。動力は掛川寄りに連結したLE-Car (TH211) に集中し、トキ25000から改造したいわばキクハ・キサハに当たるTHT101・201を連結した3両編成を組んでいました。運行区間は、浜名湖北岸ののどか〜な田園地帯にあたる遠州森 (のち天竜二俣)〜三ヶ日間を走っており、そのシックな雰囲気には個人的に好感を持っていました (^_^)。できればいつか、緑したたる田んぼの中や、湖面を渡る風が吹く岸辺をトコトコ走る姿を撮ってみたいものだなぁ……と。
 ところが、先日発売されたばかりの時刻表ダイヤ改正号を見てみたところ……何と、今春から全く列車の設定がなくなってしまいました……(@o@)。どうやら、動力車にあたるTH211が老朽化したのをきっかけに、列車そのものを廃止してしまうようです……。
 というわけで結局、そよかぜ号を撮影したのは、静鉄まつりでクモハ20を撮影し、その後遠鉄を初乗車して西鹿島に至り、天浜線で掛川に出たという、とある蒸し暑い夏の一日だけの話になってしまいました (T_T)。ホームの横に留置されているので一見すぐに撮れそうなアングルですが、ところがどっこい、側面を含めて順光で撮るには、駅を出て機関区を大回りする必要がありました。とにかく汗だくになりながら、このカットを撮るだけのために駅から往復20分ほど歩いたのを思い出します……(「そよかぜ」どころの話ではありませんでした ^^;)。



 ついでに、天浜線の新旧の主役をアップしてみましょう。左側は如何にも新潟トランシスなTH2000形 (2100形もあり)、右側は如何にもLE-CarなTH1形 (2・3・4形もあり) です。訪れた約4年前はちょうど、国鉄から二俣線を継承して開業したときに用意したLE-Carが、所詮バス並みのやわな車体ということで老朽廃車となってゆき、代わってより頑丈な車体のTH2000形が入線しつつあった頃だと記憶しています。確かもう今では、そよかぜ号用のTH211を残してLE-Carは全車廃車になっているはず。そんなことからも、「国鉄赤字ローカル線」「第三セクターへの転換」という表現がメディアを賑わせていた国鉄末期は遠く20年前に去り、いまや三セクのどの路線もあくまで自前で車両を更新して生き残って行かなければならない時代になっているのだなぁ……と、しみじみ思うのであります。
 それにしてもこのトロッコ客車、かなりもったいないので、銚子電鉄「澪つくし号」の2代目としてデビュー出来ないものかどうか……と思うのはやはり妄想でしょうか (^^;