地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

今はなき日立電鉄・標準塗装編

2007-03-27 20:19:07 | 地方民鉄 (関東北東部)


 まもなく鹿島鉄道が83年の歴史に幕を閉じて廃線となりますが (T_T;;)、そういえば今から2年前には日立電鉄が廃線となってしまいました……。先日、銚子電鉄で健闘する元営団2000形をアップしましたので、今日はついでに、日立電鉄で撮影したきりレタッチしていなかった画像を引っ張り出してみることにします。
 個人的に日立電鉄を訪れたのは、廃止決定への動きが急を告げた04年初春のほんの少々前、04年1月のことでした。冬の18きっぷの余りを消化するついでに、「そういえばまだ日立電鉄には乗ったことがなかったよなぁ……旧塗装も走っていることだし、銀座線の残党に会いに行ってみようか」という軽い気持ちで訪れたのですが……そこで目にしたのは悲しい光景でした。せっかく2両編成で走っているのに余りにも乗客が少なかったこと、そしてどの車両も無残なほどに車体が汚れていたことに衝撃を受けたものです。一応、田園地帯を走る電車の宿命として、次第に土埃が車体に付着してしまうのでしょうが……それを全然洗っていないところに、何となく日立電鉄の行く末を見てしまったような気がしました。そのため、廃止決定の報せを聞いても、青天の霹靂という気分ではなかったです……。



 とくに「ビア電」用編成の汚れは……これが一応現役の編成ということで絶句。何とか地元に愛されようと努力しながらも、願いかなわず路線ごと撤退してゆく……日立電鉄がたどったそんな運命をまさに凝縮しているかのようでした。
 ふだんは、ヘンテコな事業用車や車籍のない入換車などのゲテモノ趣味に走っている私も (^^;)、それらの車両がそれなりに活躍して自己主張をしているからこそグッと来るものでして、さすがにこの雰囲気は……。それでも「これもやはりひとつの記録になるのだろう」と思って撮った次第です。
 日立電鉄の廃線後、まだ使えそうな電車を出来れば別の小私鉄に……と思ったのですが、結局は1両も移籍せずに常北太田で解体されたことから、末期の日立電鉄が車両のメンテナンスに費用をかけられず、状態が良くなかったことが何となく想像されます (あくまで想像です)。コンクリートの架線柱や重軌条の線路、それにPC枕木を使った路盤などなど、廃線決定ぎりぎりまでそれなりに設備投資の努力を続けていたという印象もあるのですが……。
 潮風の直撃を常に受けて満身創痍の銚子電鉄デハ1000も、何とかこういう末路ではなく、より美しく蘇って走り続けて欲しいものです (^_^)。そして、2月に銚子電鉄を訪れたときには、日立電鉄から茨城交通を経由して運び込まれた保安機器を目にしたのですが、それらが第二の働き場を得て、銚子電鉄の安全を守ることに期待したいと思います。