地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

今はなき日立電鉄・旧塗装編

2007-03-30 00:58:01 | 地方民鉄 (関東北東部)


 廃止への動きが急を告げる直前の日立電鉄を訪れた際に一番楽しみにしていたのは、もちろん旧塗装復活車の活躍でした。シンプルな白と山吹色の組み合わせが、もと営団2000形には何とも似合っていただけでなく、両運転台車×2なので前パンとなっているのもグー! 2000形が旧型車や1500形と組んで銀座線を走っていた頃は、単にデコボコでボロいだけの編成にしか見えず (^^;)、しかも子供心に「中間のシルヘッダーつき旧型車を正面に出してくれないものかなぁ」と思っていたため (→運転台が撤去されていたので無理 ^^;;)、2000形が兼ね備えていた昭和30年代風レトロの美にはなかなか気付かなかったものでした。「銀座線2000形って実はカッコ良い!」と思ったのは、正直なところこのときが初めてです (^^;;
 というわけで、常磐線で大甕に降り立って旧塗装車が現れた瞬間、さっそく気分はヒートアップ! 常北太田での折り返し時間中、前パン&順光という絶好の条件も加わって、いろいろな角度からひたすら撮りまくったのを思い出します……。



 そして、個人的にこの復活旧塗装車に寄せた思いは、じつは旧型車時代の日立電鉄を一度も訪れなかったことへの悔恨とも隣り合わせでした。せっかく、もと小田急モハ1形や相鉄・東急のガソリンカーなどなど、いろいろな来歴を持つ車両たちがひしめき合い、朝は4両編成、昼間は単行で夢のような光景を繰り広げていたというのに……。
 ですが、もともと10代の頃の私は常磐線沿線に土地勘が全くなく (行ったことがあるのはせいぜい科学万博ぐらい……)、僅かな小遣いで18きっぷ旅行をするとなれば、勝手知ったる東海道・中央線の夜行鈍行に乗って中部・北陸・近畿のローカル私鉄を渡り歩くばかりでした……(そして90年代は非鉄)。そこで気がついてみれば、日立電鉄という宝の山をみすみす見逃しており、10代の自分の浅はかさに返す返すも……(以下略 -_-メ)。
 そんなわけで、田園地帯を快走する旧塗装車の姿に大喜びしながら、「汚れが目立つ赤塗装よりも旧塗装の方が絶対に見栄えがするよなぁ〜。出来れば今度は山吹色一色の銀座線塗装復活バージョンが現れないかしらん。そうなれば何度でも通いたい……」と思ったものでした。
 しかし、間もなく廃止が決まり、個人的な多忙に加えて、汚れで痛々しい姿の標準塗装車を見るに忍びなかったことから、復活旧塗装車を撮ったのもこれきりになってしまいました。残念……。