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先日発売された『鉄子の旅』第6巻では、初の海外取材として韓国・嶺東線のスイッチバックの話が載っていましたが、撮影に没頭しすぎてソウルに戻る列車の時間に間に合わなくなり、奥の手としてふだんは旅客扱いをしないムグンファ号の扉を特別に開けてもらった……という話は、お世辞にもほめられたものではないとはいえ、同時にどこか人情深いものがありました。まあ、これこそケンチャナヨという韓国語に象徴されるような「何とかなるさ」精神のあらわれかも知れません (^^;)。最近の日本の場合、この手の緊急臨時停車は、受験の際に間違って優等列車に乗ってしまったという以外にはあり得ないことだと思われます (それも本来禁じ手ですけど ^^;)。
そんな韓国ですがこのたび、今年の初秋あたりに出張で2週間ほどソウルに滞在しながら、ヒマを見つけて撮り鉄することがほぼ決まりました。さてと……しばらく放り出していた韓国語の勉強を再開しなければ……。
というわけで (?) 、4年前に撮った韓国国鉄旧塗装シリーズの最終回は、在来線の最速列車・セマウル号です。
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1970年代末頃から、2004年の高速鉄道KTXの開業に至るまで、韓国国鉄の最速・最豪華列車として君臨してきたセマウル号の「セマウル」とは、韓国語で「新しいムラorコミュニティ」の意。まあ要するに、1978年に暗殺された朴正熙大統領の独裁政治のもとで進められた社会刷新運動としての「セマウル運動」にちなんでおり、むさ苦しい政治臭がプンプンと漂ってきます (汗)。しかし、実際のセマウル号はそんなことを全く感じさせないほどハイ=クオリティな接客設備で、しかも圧倒的に速い! KTXの開業後も、鉄道を利用する韓国人の多くは「高い割には新線区間が部分開通で大して速くなく、椅子も狭い」KTXよりも、ほどほどに速くて超快適なセマウルを好んでいるためか、いつでもセマウルの切符は買いにくいようです (汗)。私も、1枚目の画像を釜山駅南側の陸橋で撮影してからソウルまでセマウルに乗車したのですが、釜山からソウルまで常に満席! 韓国人の知人に窓側の席を予約してもらって本当に助かった……感謝ハムニダ……という気分でした。
そんなセマウル号、大部分の列車はPP式ですが、一部はDL+客車という編成でも運行されています (2枚目の画像。大田発光州行き)。個人的にはこういうデコボコ編成の方が好きかも (笑)。
こうしてKTXの開業後も割と安泰に見え、ブルーを基調とした新塗装になりつつあるセマウル号も、長期的には韓国が独自開発中の振子式電車に変わって行くようです。新幹線0系を思い出すような (?) ステンレス製の車体が消え行くのは寂しいことですが、だからこそ出張撮り鉄では記録に励もうと思っています。