地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

小田急1000形の円熟、そして変化の予感

2010-04-22 00:00:00 | 大手民鉄 (小田急)


 かねてからマイクロエースより小田急9000形N模型の製作が発表され、時折模型ショウなどを通じて試作の過程も逐次公表されており、余りにも絶妙な形状把握具合に期待も高まっておりましたが(私だけ? ^^;)、ついにこの月末に発売のはこびとなりました。バンザーイ!\(^O^)/ 
 しかし残念ながら、肝心の9000形は4年前の3月に定期運用から離脱し、5月の唐木田撮影会を最後に廃車に……。デハ9001が保存車として残るのみとなってしまいました。定期運用の最後の数日間はHMを装着して主に江ノ島線を往復していましたが、運用が公開されなかったことから、沿線は割とのんびりムードで静かな別れとなったのが印象的でしたね……。その一方でさよなら撮影会は壮絶な混雑となり、厳格な入れ替え制でたしか1分半から2分ほどしか持ち時間がなかったのも生々しい思い出です。まぁ9000形といえば他にもいろいろな思い出がありますが、瞳を閉じればいつでも、カルダン駆動車にしては相当デンジャラスな域に達しているモーター音や、けたたましいコンプレッサー音が蘇って来るんですよね……。
 そんな9000形、幸い外観の基本デザインは同じ千代直として構想された1000形に引き継がれ、今でも常日頃1000形に出会うたびに嬉しい気分になりますね~。



 しかも小田急では伝統の小田急顔が絶滅に瀕し、性能は素晴らしいと思われるものの見かけは最高につまらない3000形、それにE233系そのものな新4000形が大増殖しているなど、1970~80年代の小田急の良き時代を覚えている者にとっては嘆かわしい状況となっていますので (T_T)、なおさらそんな良き時代の集大成としての存在感を保ち続けている1000形への思い入れは強くなる一方です。とりわけ、完成された外観はもちろんのこと、内装も8000系の最終ロットで試みられた暖色系への転換(数年前、小田急のことをロクに知らないどこかのワカゾーがRF誌に「8064Fが暖色系の車内となって検査を出場」なる投稿をし、それが本当に誌面に採用されてしまい、結果的にRF誌編集部が赤っ恥をかいたという逸話もありますね……おっと話題が脱線してしまった ^^;) が全面的に図られ、2600形で試みられたVVVFも「音の不気味度」を下げて本格採用されるなど、新しいイメージの小田急を余すところなく見せつけられて感動したものです……。また、まさに昭和から平成への転機に新造されたため、僅か7日間で終わった昭和64年の銘板を装着した車両があるのも特筆すべきでしょう (→またまた脱線ですが、偶然昭和64年1月7日で期限切れとなった小田急の通学定期券を持ってます。受験で自由登校気味となる高3の1月だったもので、買い換えずにそのまま所持……爆)。
 そんな1000形の登場以来、早いもので約22年。江ノ島線とは無縁そうだった10両固定編成がフツーに江ノ島線にも入線するようになったり、衝撃の2mワイドドア車が改造を経て6連6本に組み替えられて江ノ島線で絶大な威力を発揮するようになったり (乗車距離が短く、ドア近辺に人がたまりがちな江ノ島線のためにある車両だと言っても過言ではないでしょう)……まぁいろいろなことがありました。そして今や、8000形の大部分をVVVF化する工事も進み、そろそろ1000形もVVVF換装・内装リニューアルを中心とした大改造を受けるのではないか……という気がしております。その際には恐らく幕からLEDへと変更される可能性が大きいわけで、今から1000形も撮りためておかなければ……と思う今日この頃です。