地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

ことでん激動の07夏 (8) 廃車候補指定席に異変

2007-08-26 09:55:40 | 地方民鉄 (琴電)


 しばらく間が開いてしまいましたが、7月の琴電ネタはもう少々続きます (^^
 長尾線の旧型車増結運用撮影を終え、西長田から片原町まで300号の豪快な釣掛サウンドを楽しんだあとは、片原町8:53発の仏生山行に乗り、朝ラッシュ限定運用となってしまった1070形の乗り心地と走行音を楽しもうと思っていたのですが……何と、やって来たのは1080形と1100形の4連!! (@o@)
 かねてから、一宮7:42頃発を皮切りに高松築港まで2往復し、築港8:51発→仏生山9:08着で入庫する土曜・休日運休の運用は、琴平線所属車両の中でも最も廃車の可能性が迫っている車両の指定席と呼ぶべきものでした。私が初めて琴電を訪れたときには、810+820と1011+1012の固定運用だったのを思い出します……。その後、琴平線の100%冷房化が達成されてからは、残り少ない2扉で車齢約50年となってしまった1070形 (もと京急600形) がもっぱらこの運用に入るものとされており、昨年7月の九州出張のついでに高松に寄り道した際にも、当時高松ご在住だった「ぱれっと」さんと片原町激写ミニオフ会を楽しんだあと、片原町から瓦町までこの運用に入っている1070形をちょっとだけ楽しんだものです……。



 それが今や1080+1100形になってしまったとは、1070形はもう完全に余剰車扱いなのだろうか……という懸念で頭の中が一杯になってしまった私は、折角1080形に乗っているのに、そのサウンドも上の空、仏生山での解結作業や1100形の優美な姿も上の空 (と言いつつ、↑こんな感じでちゃんと撮っていますが ^^;)。イベントでお馴染みの駅東側留置線には、パンタを畳んだ1070形の4連が佇んでおり、もう2両は西側の検修庫脇に留置されていましたが、もうほとんど動くことはないのだろうか……と思うにつけ、深いため息が (-_-)。
 しかし、諦めるのはまだ早かった! 4連が留置されている線路は、最近走った証拠としてちゃんと光っているではありませんか! これはどうやら、運用が変わったに違いない……。そこで、1070形の限定運用は恐らく、仏生山8:03発→築港8:19/21→仏生山8:39着→入庫という、1往復だけの余りにも呆気ない運用に変わってしまったのではないか……と予想しまして、さる7月末に高松に出張された「ぱれっと」さんに確認して頂けるようお願いしたところ、やはりこれが正解でした。たったの1往復……撮影もほとんど一発勝負ということで、今後1070形目当てで高松を訪れられる方はお気をつけ下さい。

北の国鉄型めぐり (5) 日高線のキハ40

2007-08-25 07:14:13 | 国鉄型車両


 今回の北海道訪問では苫小牧に近い某所で研修をしたことから、折角の機会ということで、研修中ちょこちょことヒマを見つけて日高本線で乗り鉄・撮り鉄を楽しんでみることにしました。特に日高線は、なかなか良い雰囲気のオリジナル塗装をまとったキハ40・350番台が集中的に配置され、北海道のJR路線の中でも独特の雰囲気を醸し出しておりますので……(^_^)。
 たしか日高線といえば一時期、軽快気動車のキハ130・160が配置されていたと記憶しておりますが、再び20m車のキハ40に戻ったのは、やはり輸送力の面と防蝕の面で問題が大きかったからでしょうか。実際に乗ってみますと、特に苫小牧=鵡川間は朝夕を中心に、少ない列車に多くの客が集まってくるため、まあちょうど座席が埋まる程度ではありますが、そこそこ混み合うという印象です。そこに小ぶりな軽快気動車ということでは、さぞかし利用客の怨嗟も大きかったことでしょう……(^^;)。いっぽう、線路はとにかく太平洋岸に沿っており、しばしば白波が打ち付ける海岸線の脇をかすめるようにして走ります。これでは、華奢な軽快気動車ではたちまち寿命を縮めるのも無理もなく……。そこで、キハ40の単行または2連は、日高線の現状にちょうど合っているのだと思われます。



 それにしても日高線、車窓風景はとにかくワイルドでした……。苫小牧から鵡川までのあいだは、一応苫小牧の近郊ということで、それなりに開けているのかなぁ……という先入観を持っていたのですが、さにあらず! この一帯に延々と広がる勇払原野は農耕に適さない泥濘の土地であることから、夏の花が咲き乱れる (と言っても高山植物の類で地味なものですが) 手つかずの大地が広がっていました。そんな中にドカーンと広がる発電所やフェリーターミナル……。荒々しすぎる光景です。
 鵡川は、かつてここから富内線が枝分かれしていた、恐らく沿線でも最大の街。ですが……ここもご多分に漏れず駅前や駅構内は枯れた風景が広がり、しかも時間限定で売店が営業しているのみで無人駅! 富内線の代替として走っている道南バスも、どう見ても客が多いようには見えず……。「かつてここが本当にジャンクションだったのだろうか?? 昔の時刻表に確かに載っている富内線の存在はうたかたの夢物語だったのではないか?」とすら思えますが、そのこと自体、北海道の現状を示しているのかも知れません……。
 鵡川を発車するとさっそく馬の放牧地が現れ (1枚目の画像。鵡川駅から徒歩15分ほどの陸橋から撮影。馬は写っていませんが ^^;)、いよいよ日高本線らしい「左は山、右は海、その間に放牧地!」という風景が展開します。馬が戯れ、海沿いにははまなすの赤い花が咲き乱れ……心が洗われるような風景です (*^^*)。但し、海だけは折からの大雨の影響で水が濁っていたのが残念! 
 そんなこんなで風景に見とれているあいだに静内に到着! (2枚目の画像) 何と、この駅が苫小牧を発車して最初の有人駅だったりします……非常時はどうするのでしょうか (@o@)。今回は時間の都合上、ここで折り返したのですが、いずれ是非、澄んだ海に期待しつつ、様似まで乗り通して襟裳岬に向かい、さらに旧広尾線のルートをたどって帯広に抜けてみたいものだと思っています (^_^)。

北の国鉄型めぐり (4) 711系@室蘭線

2007-08-24 23:37:45 | 国鉄型車両


 室蘭線の電化区間で撮り鉄をするとなれば、猛スピードで闊歩する特急だけでなく、地味に行き交う711系の普通列車も忘れるわけには行きません (^^)。
 北海道オリジナル電車の元祖といえる711系の活躍の場は狭められて久しく、札幌近郊は朝晩の僅かな列車のみで、とくに千歳線に至っては、早朝手稲を出発して東室蘭へ向かう2726Mと、夜遅くに東室蘭から札幌へ向かう2847Mの1往復だけ……(確か)。ただ、苫小牧=東室蘭=室蘭間ではキハ40などとともに普通列車の主力を担っており、人口密度が低いため列車の本数は少ないものの、きちんと時刻表を眺めて傾向と対策を練れば、それなりに効率的に乗って撮ることができます。
 そこで今回はまず、「カシオペア」「すずらん」ともども虎杖浜で711系を待ち構え、室蘭行の424Mを撮影したのですが……まさにこのとき天候は極悪となり、朝7時半だというのに真っ暗! レタッチをいくら重ねても車体の暗さとくすみが改善しきれない↑の画像……手ぶれ補正がなければ撮影出来ませんでした (-_-;)。



 余りの暗さにやっていられないため移動した北吉原では、天候が薄曇りと持ち直したため2726Mの撮影に成功! さらに「すずらん」を撮影した後、427Mで糸井まで移動しました。
 白老前後のひたすら直線が続くこの区間は、見渡す限りの牧草地に馬や牛が戯れるという「まさに北海道!」という雰囲気の車窓風景が広がります。しかも、乗車中は天気が良かったことから、1ボックスを占拠して開け放った窓から飛び込んでくる清涼な朝の空気と711系の走行音がまさに快感! 201系や203系よりもマイルドな電機子チョッパ音を立てながら、空気バネ台車で滑るように走る711系の乗り心地は、はっきり言って素晴らしいのひとことです。トータルな走行音は、MT54サウンドを盛大に鳴らしながら走る165系や185系と比べても全然静かで、スハ43系列のどっしりとした乗り心地をにわかに思い出しました……。これならば確かに、急行「かむい」として登場した当時、大いに好評を博したことでしょう……(急行料金を払ってロングシートに座るハメになったら災難ですが ^^;)。
 糸井では、一旦苫小牧へ去った列車が再び糸井行の区間列車として姿を現し、折り返しのために錦岡に向かい戻って来る一部始終を撮影したのですが (錦岡駅の東に折返用側線があります)、またしても雨……(T_T)。それでも、非常に暗くなる悪天候は避けられ、苫小牧の近郊を行く姿をきっちりと押さえたうえでこの列車に乗り、苫小牧に戻ったのでした。この区間運転列車はとにかくガラ空き……(汗)。

北の国鉄型めぐり (3) 781系すずらん

2007-08-23 00:38:11 | 国鉄型車両


 室蘭線の電化区間といえば、いま最も注目を集めているのはDD51牽引の夜行列車や貨物列車以上に、781系の「すずらん」でしょうか。確か、「スーパーカムイ」の登場で「ホワイトアロー」用785系の一部が「すずらん」に転用され、781系は「ライラック」「すずらん」ともども来月いっぱいで一気に運用を離脱してしまうとか……。北海道の電車特急といえば、もう若くはない私としましては、やはり本州の国鉄型特急に比べれば俄然ゴツさが目立つ781系の姿を真っ先に思い浮かべますので、これまでほとんど付き合いはないものの寂しい限りです。
 781系が一気に廃車となってしまいますと、北海道の初代電車特急「いしかり」用として1974年に製造されながらも、耐雪性能が不十分なゆえに早々に北海道を撤退した485系1500番台 (現在、勝田の波動用車両などで活躍) の方が、奇しくも北海道電車特急のパイオニアとして生き残り続けるということにもなりますね……。



 そこで今回の撮り鉄にあたっては、室蘭線内をゆく781系「すずらん」についても確実に記録しようと計画を立て、まず虎杖浜で「すずらん1号」を激写しようとしたのですが……前回「カシオペア」の画像でご覧に入れた通り、余りの暗さで悲しい写りとなりました……(T_T)。「すずらん」は「ライラック」と比べると本数が少ないだけに、貴重な機会を半ば無駄にしたことの嘆きは大きいです……。
 しかし、幸いにして完璧なリベンジの機会が訪れました! 北吉原で「北斗星1号」を撮影したのち、天候が一時的に急速に回復しまして、強烈な順光が原野を貫く鉄路を照らし出す中、「すずらん3号」が猛スピードで迫ってくるところをきっちりと撮影成功!! 
 その2日後、研修を終えて札幌に向かい、苗穂で「すずらん5号」を撮影してみたところ、これも見事に成功! こうして虎杖浜での借りを返すカットを2度にわたって撮影することが出来、いやー本当に気分が良かったです (^O^)。

北の国鉄型めぐり (2) 荒天の蒼きDD51

2007-08-22 03:27:29 | 国鉄型車両


 弘南鉄道での撮影を終え、急行「はまなす」で北海道入りした後は、まず室蘭本線での撮り鉄に励むことにしました。その最大の目的はもちろん……消え行く711系と781系! (改めてご紹介します) そこで、苫小牧に早朝5時に到着した後、しばし待合室で時間をつぶし、室蘭方面への一番列車に乗って、あらかじめ駅撮りスポットとして狙いを定めていた虎杖浜駅へ向かったのですが (社台の超有名スポットは駅から遠いのでパス ^^;)、外は激しい雨……。明らかに、前日の蒸し暑い空気が寒気の流入で一気に冷やされたものですが、折角はるばる夏の北海道に爽やかな気候目当てで来たのに、この仕打ちは一体……。
 それでも天候には逆らえませんので、幸い小雨になった中、辛うじてISO400、1/250秒、f4というギリギリの条件を確保し「カシオペア」を激写しました。あ、もちろん私は、独り旅のニーズには応えようとせず、「二人分払え」という障壁を設けて排除しようとする列車には興味はございませんで (爆)、機関車だけが目当てです。この画像は縮小のうえシャープをかけたものですので分かりにくいかも知れませんが、被写界深度狭過ぎ! それに1/250秒では完全には止まらない……。それでも、悪天候を衝いて力走するDD51の姿を記録しようと思えば必死です (^^;)。



 虎杖浜は、いちおう集落や温泉旅館群がすぐ近くにあるにもかかわらず非常に野趣に富んだ駅でして、しばらくここに腰を据えても良かったのですが、次第に天候は悪化の一途をたどり、何と朝7:30にしてISO400、1/30秒、f5.6未満という超極悪な真っ暗さ!となってしまいました (号泣)。これはもう、地形が複雑な登別の前後は話にならない……と思いまして、次の駅撮り候補地・北吉原へ移動! ここは駅前に巨大な製紙工場があり、まさに東海道線の吉原を思い出しますが (実際にあやかった?)、別に貨物扱いを行っているわけではなく無人駅です (しかも昔の時刻表を見ていますと、朝夕以外普通列車も通過!)。でもそれだけに、製紙工場と国道沿いの集落以外は見渡す限りの原野となっており、ひたすら真っ直ぐ延びる直線を飛ばしてくる列車を激写するのは何とも痛快なものがあります。
 ただ、北吉原に移動して「北斗星1号」を待ち構えた時点では、相変わらず天候は回復せず……虎杖浜で「カシオペア」を撮影した際とほとんど変わらない露出環境となってしまいました (-_-)。
 それでも、実はこの日に限って言えば、カシオペアと北斗星1号が定刻で運行され、それらを無事撮影出来ただけでも十分御の字なことでした。何故なら、この後に続く3号は、道南一帯での雨量が規制値を超えたため、大沼公園で5時間以上抑止を食らっていたからです……(1号の撮影結果が芳しくないことを理由に、3号が来るまで粘らなくて良かった!!)。他にも、8月に入ってから1号が栃木県内での抑止のうえに機関車故障で大幅に遅れたり、また別の日には黒磯付近での落雷・豪雨のために北へ向かう4本の列車が大幅に足止めを食らい数時間遅れになるなど、何かと天候不良に巻き込まれている「北斗星」……。ただ「頑張れ!」のひとことです。