
弘南線に乗って田舎館駅に着く直前、車窓を眺めているとふと眼に飛び込んできたのは……やけにハデハデな3両の車両。「何だ何だぁっ?」ということで速攻で細かいディティールを確認してみると、何とキハ22と小坂鉄道キハ2100でした! はてさて……何故このような異なる会社のDCが、こんなところにまとめて転がっているのだろうか……と考えてみたところ、そういえば!と思い出しました。これらの車両は、国鉄赤字ローカル線だった黒石線を引き継いだものの、結局短命に終わった弘南黒石線で使われていたDCたちだったのです!
弘南黒石線は当初キハ22だけでスタートしたはずですが、小坂鉄道が旅客営業を止めた時点で2両のオリジナルDCを譲り受け、元国鉄1、元小坂2という陣容で1998年の廃線を迎えたのでした。廃線の理由はクルマ社会化に加え、もともと川部乗り換えで弘前へ向かっていた利用客が、川部で別運賃になり割高になるのを嫌って、多少時間が余計にかかっても弘南線利用に切り替えたためだとか……。

田舎館での弘南線撮影は、80分間隔ダイヤで恐ろしく時間を持て余すものでしたので、そういうときにこの保存DC群の存在はまことに都合が良い……というわけで、駅からほんの少々歩いて見物してみましたところ、何やらちょっとした公園施設の片隅に置かれた休憩所という位置づけのようで、外付けのクーラーの存在に萎えました (-_-;)。しかも、中に入れると思いきや、3両とも閉鎖されて久しいようで、車内が年月のいたずらで傷みつつあるのが窓の外からも分かります……。キハ22の正面に某マンガの主役 (似てねー ^^;) を掲げるというセンスは、何やら韓○鉄道博物館で動態保存中の新潟鉄工製DC (奇しくもキハ20系列のコピー) の正面貫通扉窓の位置に、鉄道マスコットの「チ○○ポ」を掲げてしまうというノリに近いものが感じられ、どうもいただけませんなぁ……(鬱)。
これらの憂鬱な外付けグッズに比べれば、ド派手な塗装もとりあえずは直線的でシンプルなものですので、個人的には「ま、いっか」と (^^;)。
あとでさらに調べてみると、この公園施設は「道の駅」の一部なのだとか。クルマに客を奪われた地方私鉄の車両が、道の駅の一隅でひっそりと生き残っているというのは、いささか皮肉なものを感じます。それでも、とくに元小坂車が残っているのは貴重ですので (片上鉄道キハ801・802となった車両は果たして現存していましたっけ?)、いずれはオリジナルの塗装となり、適切な整備も加えられないものか……と思っています。
(おことわり:車体周辺の余計な障害物をレタッチ時に消去していますので、実物を生で眺めたときにはこれらの画像と異なる見え具合となります。悪しからず……)