地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

弘南黒石線車両、道の駅に眠る

2007-08-21 07:19:08 | 保存・園内・特殊車両


 弘南線に乗って田舎館駅に着く直前、車窓を眺めているとふと眼に飛び込んできたのは……やけにハデハデな3両の車両。「何だ何だぁっ?」ということで速攻で細かいディティールを確認してみると、何とキハ22と小坂鉄道キハ2100でした! はてさて……何故このような異なる会社のDCが、こんなところにまとめて転がっているのだろうか……と考えてみたところ、そういえば!と思い出しました。これらの車両は、国鉄赤字ローカル線だった黒石線を引き継いだものの、結局短命に終わった弘南黒石線で使われていたDCたちだったのです! 
 弘南黒石線は当初キハ22だけでスタートしたはずですが、小坂鉄道が旅客営業を止めた時点で2両のオリジナルDCを譲り受け、元国鉄1、元小坂2という陣容で1998年の廃線を迎えたのでした。廃線の理由はクルマ社会化に加え、もともと川部乗り換えで弘前へ向かっていた利用客が、川部で別運賃になり割高になるのを嫌って、多少時間が余計にかかっても弘南線利用に切り替えたためだとか……。



 田舎館での弘南線撮影は、80分間隔ダイヤで恐ろしく時間を持て余すものでしたので、そういうときにこの保存DC群の存在はまことに都合が良い……というわけで、駅からほんの少々歩いて見物してみましたところ、何やらちょっとした公園施設の片隅に置かれた休憩所という位置づけのようで、外付けのクーラーの存在に萎えました (-_-;)。しかも、中に入れると思いきや、3両とも閉鎖されて久しいようで、車内が年月のいたずらで傷みつつあるのが窓の外からも分かります……。キハ22の正面に某マンガの主役 (似てねー ^^;) を掲げるというセンスは、何やら韓○鉄道博物館で動態保存中の新潟鉄工製DC (奇しくもキハ20系列のコピー) の正面貫通扉窓の位置に、鉄道マスコットの「チ○○ポ」を掲げてしまうというノリに近いものが感じられ、どうもいただけませんなぁ……(鬱)。
 これらの憂鬱な外付けグッズに比べれば、ド派手な塗装もとりあえずは直線的でシンプルなものですので、個人的には「ま、いっか」と (^^;)。
 あとでさらに調べてみると、この公園施設は「道の駅」の一部なのだとか。クルマに客を奪われた地方私鉄の車両が、道の駅の一隅でひっそりと生き残っているというのは、いささか皮肉なものを感じます。それでも、とくに元小坂車が残っているのは貴重ですので (片上鉄道キハ801・802となった車両は果たして現存していましたっけ?)、いずれはオリジナルの塗装となり、適切な整備も加えられないものか……と思っています。
 (おことわり:車体周辺の余計な障害物をレタッチ時に消去していますので、実物を生で眺めたときにはこれらの画像と異なる見え具合となります。悪しからず……)

弘南鉄道・銀色の夏 (5) ああ田舎館!

2007-08-20 00:55:19 | 地方民鉄 (東北)


 柏農高校前駅で夏の津軽平野のでっかい光景を満喫 (?) した後は、事前に地図を眺めて「どうやら良さそうだ」と目星をつけていた田舎館に向かいました。この駅、駅名からして何やら津軽情緒豊かな雰囲気を想像してしまうのですが……実際に降り立ってみますと、古き良き地方私鉄の駅らしさがそのまま残っており、余りの素晴らしさに思わず目を見張ってしまいます。勿論、既に無人駅化され、車扱貨物の扱いも廃止されていますが、開業以来変わらない佇まい (?) の木造駅舎、島式ホームに貨物側線を加えた3線の構内、そして堂々たる農業倉庫群……。駅の裏には鎮守の森があり、暇つぶしに (失礼) ご挨拶がてら訪れてみますと、まるで時間が止まったような奥ゆかしい涼しさ……。列車が来ない間は、そんな昔ながらの光景をじっくりと眺め、列車が来る時間になったら駅構内や近くの水田の旁らでカメラを構えるという、何とも悠長なひとときです。田舎館……この駅名は、抜けるような青空の下を走る青帯の7000系の姿とともに、個人的な超お気に入り駅として今後も長く記憶されることでしょう! 惜しむらくは、小銭の持ち合わせが底を尽きかけ、財布には万札しかなかったことから、駅事務室を利用した茶店で小腹を満たすことが出来ませんでした (^^;)。(↑は田舎館=境松間の直線にて)



 それにしても、本来ならば午後3時を過ぎれば弘南線は30分間隔ダイヤとなり、平均15分に1回は走行シーンを撮影出来るはずですが、全線一閉塞の臨時ダイヤではあくまで80分間隔……。そんなダイヤに午後1時から夕方までずっと付き合うのは誠に辛いものがありました (汗)。恐らく、地元の利用者も間違いなく不便を感じていたことでしょう……。しかも、このあとには何と100分間隔という衝撃の事態にも遭遇することになったのでした (爆)。
 田舎館から黒石まではバスで移動し、黒石に到着する列車を撮影、その後は黒石市街の南を流れる川の畔にある「岩木温泉」で汗を流したのですが、実に良い湯加減の温泉が豊富に湧き出し、湯船から溢れ出した湯が浴場の床を滔々と流れているのですから、まさに循環式の温泉におけるレジオネラ菌などとは一切無縁!! 異常事態ダイヤに苦しみながらも充実した撮り鉄の一日をこのような温泉で締めくくることが出来て万々歳、コーヒー牛乳が美味い! 隣のコンビニでさらにビールを購入し、夕焼けに浮かび上がる岩木山の絶景を眺めながら川風に吹かれてグイッと飲めば、もう津軽最高!!
 ……なーんて感じでのんびりとくつろいでいたら、いつの間にか19:10発の弘前行には間に合わなくなってしまいました (汗)。そこで、次の電車は20:30か……まあ夕食も黒石市内で食べ、そのまま乗って行けば、ちょうど弘前では当初から乗るつもりだった青森行の普通列車に間に合うな、と思案したのも束の間、何と弘前行の最終電車は20:50発!! 青森へは500円余計に払って特急「いなほ」に乗らなければなりません……(まあいいけど)。通常ダイヤなら19:20・19:50・20:20……と、何と空白の100分のあいだに3本も弘前行が発車すると思うと、これは気分的に辛すぎます……。
 というわけで、最後の最後まで臨時ダイヤに苦しめられた弘南線初訪問、堂々4両編成が終日行き交う姿はそれなりの記録となりましたが、やはり編成が短くとも便利にこしたことはなく、8月以降無事通常ダイヤに戻ったのは誠にめでたいことだと思っています。今後も弘南鉄道が津軽平野の身近な足として活躍し発展することを願いつつ、次はいつ訪れようか……と思案することにしたいと思います。

東急8614F「伊豆のなつ」・宮崎台暗雲の陣

2007-08-19 21:52:47 | 大手民鉄 (東急)


 ここしばらく、たとえ撮り鉄する時間があってもカメラを手にする気力さえ萎えるほどの酷暑が続いていましたが、昨日は久しぶりに涼しい一日となりましたので近所をブラブラして参りました。目指すは、気がついてみれば約1ヶ月ぶりの撮影となる東急田園都市線。夏休み期間中は乗りドクな一日乗車券が発売されていますし、ピーカンですと場所選びに苦労する路線ですので、曇りのフラットな光線を活用して8500系を記録しない手はありません。
 そこでまず目指したのが宮崎台。ここは見通しの良い高架シーンが魅力的な場所ですが、折角「伊豆のなつ」がやって来てくれたというのに……曇りを通り越して雨が降り出しそうなほどの暗さとなってしまいました (T_T)。レタッチにレタッチを重ねてようやく見られる画面となりましたが、ノイズは出まくり (号泣)。何度でもリベンジしなければ!と思うのですが、これからは5000系の増備をにらみながら、時間との戦いです。
【8/20補足 検査期限を考えれば、8614Fはあと2年ほど大丈夫かも知れません。しかし、もしなるべく先頭車の番号順に離脱させるという方針だとしたら……】



 下り中央林間行きの発車後は、後続の列車で追いかけて長津田の前後で撮っても良かったのですが、ここは久しぶりに「電車とバスの博物館」を見物して、中央林間から「伊豆のなつ」が折り返して来るのを待とうと思いまして、入場料100円を払ってちょいと涼んでみました。
 思い出してもみれば「電車とバスの博物館」は、高津にオープンして間もない頃に訪れて以来ごぶさたですので、かれこれ20数年ぶりか……(爆)。ガキだった当時いじって大喜びしたデハ3456の運転台&台車&走行機器セットも含め、あらゆる展示が移転後も整然と並べられているのは素晴らしいですが、如何せん……スペースが狭い! 超広角レンズを持参しても「ペコちゃん」やモハ510をうまく撮影するのはまず難しいです (滝汗)。やはりここは「鉄」よりも、電車とバス大好きなお子様とパパ・ママのためにある施設なんだなぁ……と再認識しました (^^;)。というわけで、かつてはしゃいだデハ3456も、今回は他のお子様がいじるたびに釣掛がうなり電動カム軸がガチャガチャ動くのを横目で眺めるだけで済ませました (それでも取りあえず十分楽しめます ^_^)。
 いっぽう、一つだけ濃いぃ衝撃を受けたのが……上田電鉄1周年記念・モハ5250形 (丸窓電車) のHO模型、定価10万円也! ほ……欲しい。ですが、HOを買ってニンマリ出来るほど金持ちではありません (^^;;)。
 こんな感じで30分少々時間をつぶしたのち今度は下りホームに向かい、押上行きとしてやって来る「伊豆のなつ」を確実に写し止めるための予行演習を重ねたのですが……本番は、何よりも天候が明るくならなかっただけでなく (-_-;)、「伊豆のなつ」単独での撮影を狙っていたにもかかわらず、直前まで下りの8616Fがカブり続け……結局大慌てでアングルを調整し、2編成の並びとせざるを得ませんでした (あぁヒヤヒヤ……@o@)。勿論、これはこれでグッドですが (8616Fの表示が漢字の状態で良かった……)、天候面も含めてこのシーンもリベンジ決定です (^^;)。

東急長津田工場・静かな別れの午後

2007-08-19 00:05:12 | 大手民鉄 (東急)


 東急の一日乗車券は、独立採算となっているこどもの国線にも乗ることができるスグレモノ。何せ、一往復するだけで約半分のモトを取れてしまいますので……(^^)。そこで、「伊豆のなつ」が半蔵門線方面に走り去ったあとは、恩田の東急長津田工場を見物してみました。すると……ついに恩田に廃車回送された8039Fが停車中! しかも、検査入場中と思しき7913Fと顔を寄せ合うように……。7000系と8000系はかつて東横線で苦楽を共にした仲、長年の活躍を互いにねぎらっているのでしょうか……。
 そんな8039F、これから先は果たして一体どうなるのかが当面の大きな関心事でしょうが、編成がバラされていないようで、 (この画面では見えづらく恐縮ですが) 社紋にガムテープが貼られているということは……まさかインドネシアでしょうか?? 8007F「伊豆のなつ」の例も合わせて考えますと、東横線で伝説的なイベント運転をした編成はインドネシアへ行く……という命運なのでしょうか?? (予断にもとづく妄想ですので、現時点では真に受けられませんよう)



 そんな長津田工場、土曜日でも作業が行われており、決して入換が皆無なわけではありませんので (以前も土曜日に見かけたことがあります)、もしかしたら……と期待して訪れてみたのですが、昨日の午後は結局何の動きもありませんでした (爆)。仕方がないので取りあえず、5両化された9001Fから抜かれたと思われる中間車と連結されたデワ3043の姿を望遠レンズで撮影して楽しみました (*^^*)。
 他には、伊豆急向け改造をしていると思しき8000系が相変わらずひしめいていましたが、EDの奥で作業中の先頭車化改造車も屋根がキレイに塗られ、伊豆急向け工事はそろそろ佳境に入りつつあるのでは……という印象でした。
 これからも車両の目まぐるしい変動が続きそうな東急。そのステンレスカーの保守を担い、しかも魅力的な入換車が息づく長津田工場……。今後も地味に注目し続けて行きたいものだと思っています。
 ちなみに、結局長津田工場の入換がありませんでしたので、浮いた時間を使ってこどもの国まで乗ってみました。横浜高速鉄道移管後は初到達で、通算してもかれこれ幼稚園の頃に一度訪れて以来です……(^^;;;)。ただ、撮り鉄向きのスポットは駅周辺にはなさそうで、やはり恩田周辺が圧倒的に面白いことを確認して帰ってきたのでした (笑)。

07年GW・奥の細鉄 (19) 南部縦貫・夢競演

2007-08-18 09:15:29 | 保存・園内・特殊車両


 長らくお送りしてきた黄金週間の東北特集も、いちおう今回が最終回。既に始まっている夏の弘南&北海道特集へとつないで行くにふさわしいシーンとして、南部縦貫イベントの中でも個人的に大いに感動した名場面をアップしてみましょう。
 まずは、爽やかな五月晴れの下で語らうキハ104とキハ101! このような光景は、昭和30・40年代でしたら日本全国のローカル非電化私鉄で味わうことが出来たのかも知れません。しかし、10代の私が本格的に趣味活動を始めた1980年代には、こういう感じの路線は既に相当減ってしまっただけでなく、私自身も半鋼製釣掛式電車に夢中だったため、結局非電化私鉄シーンを味わいそびれてしまいました (^^;;)。それだけに、年をとるほどに「しまった……」という念は強く、いまこうしてローカル私鉄の良き時代の再現を眼に出来るだけでも幸せだと言わなければならないですね。はい (*^_^*)。



 肝心のイベントはその後、キハ102を構内末端部の桜の脇へと移動させての撮影会を経て (但し桜の木は完全に老木化して、花はチラホラ……-_-)、いよいよフィナーレへ! キハ104を庫内に戻したのち、2輌のレールバスを並べた撮影会が始まりました! 静かな新緑の森、草に覆われた線路、そしてレールバスの並び!! いやはや……眺めているだけでも癒しと感涙の世界です (*TvT*)。模型はカネとスペースとヒマがないためやっていない私ですが、いつか年金生活に入ったら、こういうシーンを卓上で再現するのも良いなぁ……なんて思い始めていたりして (気の重い業務による過労や心労でこの世とおさらばしていなければの話ですが。^^;)。
 こうして、保存会の皆さんへの拍手とともに幕を閉じた南部縦貫のイベント……終了後は近所の「あすなろ温泉」にて、バスの時間になるまで一風呂浴びてコーヒー牛乳を飲んだのも良い想い出です (^_^)。またいずれ、是非訪れてみたいものだと思っています……。