地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

梅小路の1080号機・展示開始1周年HM姿

2010-09-20 00:00:00 | 保存・園内・特殊車両


 今回の京都出張ついで鉄は総合テーマを保存車両めぐりと定め、各地に現存する貴重この上ない車両を訪ね歩いて参りました。それはある意味、暑過ぎる夏への嫌気と申しますか反動と申しますか……出張撮り鉄のたびにホーム先端で耐え難い暑さに耐え続けるのはホトホト疲れがたまるわけでして、今回も気温がかなり上がるという予報だったことから、なるべく冷房が効いた場所や日陰に逃げ込みつつも充実した出張ついで鉄を目指そうとなると必然的に (?) 保存車両めぐりとなるのであります (^^;)。いやいや実際には……複数の場所で同時に特別な展示がなされることが事前に分かったことから、「ならばこの際、長年の宿願を果たすことも含めて保存車両めぐりと決め込もう!」と思ったのが第一の動機です。
 というわけで、訪ね歩いた膨大なカットの中からどれをアップしようか迷うのですが、やはりここは旬な話題から……。葛生から梅小路に移されて昨年の今頃から公開が始まった英国製SL・1080号機が、このたび展示開始1周年を迎えたとのことで、この連休中は特別に屋外でHMを掲げた姿を披露しました。



 このSLの重要文化財的価値につきましては今さら多言を要さないかと存じますが、個人的にもこのSLは展示開始時のまっさらな姿、そして英国ヨーク鉄道博物館との姉妹提携10周年記念ユニオンジャック姿を眼にしておりますので、ここは是非1周年姿を見ておきたいと思った次第。そこで、丹波口駅から青果市場エリアの賑わいをよそにトボトボと梅小路へと歩き、朝の開館と同時に入場~。爽やかに晴れ渡った秋空 (但し相変わらず暑かったですが・・・) をバックに、金メダル風のHMも凛々しく鎮座する1080号機の美しい姿を満喫したのでした……(^O^)。完全に順光になるのは午後ということで、残念ながら顔には光が当たっておりませんが、まぁ陰影のある姿もまたシブ味があるというものでしょう。
 ちなみに、訪れた18日 (HMつき展示初日) の朝は、恐らく各地で小学校の運動会が開催されていたこともあって非常に来客が少なく、その分落ち着いて撮ることが出来たのも良かったですね……。これがもし昨日ですと、某京急系 (?) バンドが中心となって企画した「梅小路音楽○覧会」が隣の梅小路公園で開催されたのに加え、ワールドフードフェスタの類も開催されたということで (準備中のテントの類で園内がビッシリ)、恐らく「ついでにSL見物」という人波がどっと扇形庫・転車台周辺にもあふれたと思われますので……(実際にはどうだったのでしょうか→まぁ別にどうでも良いのですが ^^;)。

緑したたる叡電散歩 (4) 大御所デト1001

2010-09-19 09:32:00 | 事業用車両


 昨日一昨日と抜けるような秋空の下、京都出張ついで鉄を満喫して来たのですが、膨大なカットをどうレタッチしてネタにするか途方に暮れておりますので、取りあえず去る6月に撮って以来アップしそびれていた叡電のカットを……(^^;
 さて、叡電を訪れる際には見事な沿線風景に気を取られてしまい、ごく一瞬で (?) 通り過ぎる修学院車庫のことを忘れそうになってしまいますが (そんなことはない? ^^;)、やはり久しぶりに叡電を訪ねた以上、修学院車庫に日頃起居する大御所・デト1001の存在を忘れるわけには行きません! つい最近までは、もう一種類の大御所としてデオ600×2が予備車として現存していましたが、なかなか撮影する機会もないまま廃車となってしまい (泣)、今や京福時代からの在籍車として緑+ベージュ塗装を保っているのはこの1両のみとなってしまいましたので、そういう意味でも見逃すことは出来ない1両であると言えましょう。
 そこで修学院にて下車後、叡電新本社兼マンション及び京福時代に建てられた直営マンションを大きく回り込んで裏手の道に出ますと……自動車用門からほど近い位置に鎮座していました(*^^* →門の外から撮影しております)。



 う~ん、この細身でヘロい表情、何やら京急の先代釣掛デトを思い出すようで結構好きなのですが、さらに別の角度(柵外の公道上)から超望遠で正面がちに撮ってみますと、まさに実用本位で造られた無蓋電動貨車そのものなゲテモノぶりを満喫できます……(^O^)。が、残念ながらクルマがアングル内に駐車されており、イマイチ中途半端な記録になってしまいました (泣)。まぁ、そんなカオスぶりも地方私鉄の車庫らしいと言えばそれまでですが……。
 ちなみにこのデト、同型車が嵐電に現存しており (モト1001)、たまに帷子ノ辻の側線に留置されていることもありますが、時間を確保して帷子ノ辻で途中下車出来そうなときに限ってもぬけの空 (汗)。その記録は今後の課題です (^^;
 それにしても……叡電となって以来のオリジナルカラーも良いのですが、やっぱり京都のしっとりとした風情にはこの塗装が似合うと思う私……。何とか嵐電の紫化は一部分で打ち止めとなることを願うと同時に、叡電でもデオ800の1編成を使ってこの塗装をリバイバルして頂けないものかと期待(=妄想)している今日この頃……。あ、京阪の出資比率が拡大したことから、おけいはんツートン (一般or特急色) でも構いませんけど ……(笑)。

転換期の千代田線6000系 (1) 4次車

2010-09-17 00:00:00 | 都市民鉄 (首都圏)


 インドネシアに渡った東京メトロ7000系4編成が去る8月19日以後順調に営業運転入りし、ジャカルタの利用客やファンから好評を博してようですが、最近KCJ (ジャボデタベック通勤鉄道) 公式HPにて、7000・05系に続く東京メトロからの追加輸入分として6000系2編成の搬入・整備に関する競争入札の公告が現れました。いっぽう、千代田線用の新型車16000系が下松から相次いで甲種輸送されているとか (東武51061F以降と同様、腰痛製造器ではない椅子であることを激しく希望・・・)。かくして、長年鉄壁の安定政権ぶりを誇ってきた千代田線6000系にもついに大きな変化のときが迫って来たようです……。



 個人的に営団→メトロ6000系といえば、狭い窓や暗い車内、プゥィィィ~ンと独特の音を発する電機子チョッパ、それにキノコ形貫通路など、いろいろと濃いぃ要素が満載の車両に思え、乗ること自体は長年来割と好きだったのですが、顔が他の車両と比べて余りにも斬新すぎることから写欲は湧かず……(^^;)。しかし、ここに来てインドネシア譲渡が決まると、俄然個人的注目度は赤丸急上昇! (笑) これからジャカルタで濃いぃ風景の中を走ることが決まった以上、その日本での活躍も記録しておかなければ……というわけです。そして、このマスクそのものも今や「懐かしい未来」という雰囲気すら漂うように思われますので……。
 そこで、とりあえず特に注目してみたのが、半蔵門線8000系の影響を受けて大窓で登場した4次車のうち、VVVF化改造を受けず登場時の姿と下回りを保って走り続けて来た編成です。4次車はかつて、窓がデカいくせに暗い車内(とくに汚れた感じに見えるベージュ色の化粧板)であるという中途半端さがどうしても好きになれず、かつては6000系の中でもこれが来ると「ちっ」という感じでハズレ扱いだったのですが (^^;)、今や「もしかするとこれがインドネシアに行くかも」と思っただけでワクワクします (何という日和見……笑)。幕を保っているのも撮る側としてはウレシイですし (^O^)。
 もっとも、インドネシアに行くのは90年代にGTOチョッパに改造された1・2次車であるのかも知れず (そうであれば恐らく05系と性能的に近いですし)、電機子チョッパのままで走る4次車は廃車解体となるのでしょうか? いや、7000系の同世代編成が既にインドネシアに渡っていますので、4次車の譲渡も有り得なくもないのでしょう (文系人間につきメカニックな話はよく分かりません。悪しからず・・・)。まぁいずれにせよ、何らかの動きが直近に迫った編成であると言えそうです……。

関西のスラトゥス・ティガ (2) 環状線オレンジ

2010-09-16 00:00:00 | 国鉄型車両


 先月の京都出張の翌朝は、既にアップしました通り大和西大寺にて乗りバスに興じ、その後は近鉄奈良線を楽しみつつ鶴橋へ。いつものようにホームを覆うキムチのかほりも猛暑の中でひときわ濃厚で、そんな空気に「ミナミの入口」を感じつつ環状線ホームに上りますと、関東ではあれほど大勢の「鉄」を沿線に集めるオレンジの201系が、誰からも注目されずフツーに行き交っている……ということで、そんな「昭和」が色濃く残る関西の鉄道シーンへの思慕がますます強まるばかりです (まぁ環状線の201系は大規模更新を受けており、正面以外の印象はかなり変わっていることは否めませんが……。あと「そんなのイヤだ!関西のJRと私鉄は関東を見習って車両更新を急ぐべき!」「そんな見方は関東人のわがままだ!」と思われる方もおられるでしょうが、所詮一個人の趣味嗜好ということで……)。
 というわけで、「環状線は相変わらず濃いぃなぁ。そういえば103系も、201系の増加の陰で数を減らしたとはいえ、まだ多少は日中でも来るのではないか?」と思いまして、一駅乗って桃谷へ。光線の関係から後追いで撮ろうと思いまして、ホーム上屋の日陰でじっと炎熱に耐えて待つこと10分少々……ををっ!来てくれたではないですか、103系! (^O^)



 環状線で現存する103系は、運転席窓のパーティションが撤去されて一枚窓に改造されており、個人的にはいかつさが消えて少々間の抜けた表情に変わってしまっているのが残念ですが、まぁこの際贅沢は言っていられないでしょう。201系と同様に大規模な延命工事を施され、ドア窓を注視しなければほとんど201系と変わらない風貌に変わってしまった中間車も、当初は「まじっすか・・・」と思ったものですが、乗ってみれば揺れとサウンドは同じですので、これはこれでまぁ良いか、と (^^;)。むしろ、車齢が新しい車両を中心に、田の字窓とオリジナル車内のままで残る車両も少なくなく、そんなフツーの更新車と大規模延命工事車がごちゃ混ぜに連結されているのが環状線103系の楽しみというべきでしょうか。
 そんなこんなで1本撮って行先幕を見てみたところ……んん?桜島線直通?? (「ゆめ咲線」という如何にも取って付けたようなネーミングは未だに慣れないオッサンです、すみません。笑) これでは、こちらも逆回りに前進して、すぐに次の撮影チャンスを得るというわけには行かないではないか……と思ったのですが、まぁ撮れただけでも御の字でしょうか。そこで、すぐに201系に乗って天王寺に向かっていたところ、何と!寺田町でも103系とすれ違い! すかさず下車して後追いしたところ、この編成はとんでもない大当たり編成であることが発覚しましたので (急カーブのため「お楽しみ部分」が見えず ^^;)、ただちに阪和線に向かうことはせず、もう少々環状線で粘ってみることにしたのでした……(続く)。

東急バス渋72系統・目黒不動尊界隈を行く

2010-09-15 00:00:00 | 濃いぃ路線バス&車両


 先月京都に出張したついでに大和西大寺にて驚愕の狭隘バス路線・奈良交通押熊線に乗って以来、濃いぃバス路線をもっと楽しみたいという内心の欲求が沸々としている今日この頃 (^^;)。そこで、恩田で改造中の1000系を見物する前に、東急バスの渋72系統 (渋谷駅東口~五反田駅) を訪ねてみました。
 この路線、何が濃いぃかと申しますと……目黒不動尊の近辺を走る際には住宅街の路地に行く手を阻まれるため、隘路の直角カーブを切って目黒不動尊の境内に入り、さらに門前の狭い道へと突っ込んで行くこと……。全国各地には恐らく寺社の門前を折り返し点とするバス路線が数多くあるのでしょうが、境内を堂々と通過する路線は非常に珍しいのではないかと思われます。しかも、そんな路線が天下の渋谷駅前から日中20分間隔で運行されるという意外性にもグッと来ます。うーむ、渋谷界隈は学生だった頃いつも歩いていたものですし、今でも田都=半蔵門ルートを日常的に利用している私ですが、そんな濃厚そうな路線が渋谷から出ているとは……まさに灯台もと暗し。
 というわけで、思い立ったが吉日。三軒茶屋の近くでの用務を終えて腹ごしらえをしたのち渋谷に出まして、やって来た渋72系統バスの最前部ヲタシートをゲット! 大都会のド真ん中から住宅街の奥の奥へと分け入る小さな旅の始まり始まり……ですが、しばらくの間は余りにもフツーな東京の街並みの中を走り、バス自体も日野製のごくありふれた最新 (?) ノンステップ車ですので、とてもこれが地図上で眺めた狭隘区間に突っ込むとは思えず、渋滞に巻き込まれた山手通り (大鳥陸橋付近) ではしばし居眠りすらしてしまったのでした (^^;;



 それが一気に緊張感に転じたのは、山手通りから目黒通りへ入り、さらに下目黒五丁目界隈で突如グイッと狭い道へ左折したところから。まずは辛うじて2車線ある住宅街の道で渋72系統の渋谷行きとすれ違いましたが、かなりギリギリ気味……。いっぽう、周囲は途上国の大使館も建ち並ぶ小綺麗な住宅街で、小まめに乗降がありますので、たとえ狭い道でも立派にこの路線の存在理由があるのでしょう。そしていよいよ「林試の森入口」を過ぎますと、「真っ直ぐ行くと路地!」というところでグイッと強引に左折! その直後さらにグイッと右折して目黒不動尊の境内へ! 境内のバス専用道 (?) は山門の前に警備・誘導員が立っており、他の車を全てシャットアウト (看板もあり……1枚目画像左下に切り貼りしておきました)。ただ、境内の区間は道幅がかなり (?) 広く、ちょっと拍子抜け (^^;)。脇には桜が植えられ、春には桜と山門と東急バスの組み合わせを堪能できるでしょう (^^)。
 個人的に「フォトジェニックだなぁ~」と思ったハイライトは、むしろ境内を抜けて山門前から門前町へと入って行くところでしょうか。距離こそ100mに満たず、押熊のような超絶な狭さというわけではありませんが、かなり狭い道をバスが「よっこらしょ」と通過する姿はいとをかし……。こんな光景はまだまだ探せば各地で見られることでしょうが、何よりも特筆すべきはこのバスが渋谷駅に直通するということであり、緑濃き山門との組み合わせもここが山手線から至近距離であることを完全に忘れさせてくれます……。いや~これだから東京という街は限りなく奥が深いのでしょう……。
 こんな感じで小さなバスの旅&撮りバスを終えた私は (不動尊門前から五反田駅まではフツーの道を走るっぽいので省略 ^^;……虫の知らせで「恩田にも行ってみようか」と思っていたこともあり……)、10分ほどダラダラ歩いて目黒線の不動前駅へ。目蒲線改め目黒線はかつて3450形が走っていたとは思えないほどデラックスな設備に変わってしまいましたが、駅前商店街は如何にも古き良き東急駅前商店街という風情の落ち着きで、思わずほのぼの気分。渋谷からここまで撮りバスタイムを含めて1時間10分少々でしたが、なかなか充実したひとときでありました……。

 ちなみにこの渋72系統、毎月28日は目黒不動尊の縁日につき、林試の森入口~不動尊門前間は徒歩連絡となり、完全な別ダイヤが組まれています。これはこれで楽しそうですので、またいずれ訪ねてみようかなぁ……と (笑)。