~あらすじ~
奇妙な縁から一年限定で大学の自転車部に所属することになった正樹。
初心者ながら柔道経験者で体力のある彼はたちまち頭角を表す。
中学時代の出来事から生じた死ぬ覚悟も、誰かを傷つける恐怖も呑み込み、自分と向き合うために正樹は走る。
~感想~
作者の代表作「サクリファイス」から続く自転車ロードレースの世界を描いた物語。
今回はシリーズを離れ大学の自転車部が舞台。いちおうミステリの範疇にあった「サクリファイス」から巻を重ねるごとにミステリ味は薄まっていったが、本作は完全無欠の一般小説となった。
盛り上がるのは中盤までで以降は起伏の乏しい展開、ほとんど打ち切り漫画同然の投げっぱなしの結末、あまり奏功していないタイトルと欠点はいくつも目に付くが、やはり自転車ロードレースという題材自体が珍しくも面白く、読み通せるだけの魅力はある。
だが短編は無理としても、中編なら余裕で描ききれる程度の内容の薄さで、物足りなさを感じるのも確かなところ。
「俺達の戦いはまだ始まったばかり」で「僕はここにいてもいいんだ」な結末もあんまりで、せめて着地くらいは綺麗に決めて欲しかった。
まあ次回作も買うけども。
13.8.1
評価:★★☆ 5
奇妙な縁から一年限定で大学の自転車部に所属することになった正樹。
初心者ながら柔道経験者で体力のある彼はたちまち頭角を表す。
中学時代の出来事から生じた死ぬ覚悟も、誰かを傷つける恐怖も呑み込み、自分と向き合うために正樹は走る。
~感想~
作者の代表作「サクリファイス」から続く自転車ロードレースの世界を描いた物語。
今回はシリーズを離れ大学の自転車部が舞台。いちおうミステリの範疇にあった「サクリファイス」から巻を重ねるごとにミステリ味は薄まっていったが、本作は完全無欠の一般小説となった。
盛り上がるのは中盤までで以降は起伏の乏しい展開、ほとんど打ち切り漫画同然の投げっぱなしの結末、あまり奏功していないタイトルと欠点はいくつも目に付くが、やはり自転車ロードレースという題材自体が珍しくも面白く、読み通せるだけの魅力はある。
だが短編は無理としても、中編なら余裕で描ききれる程度の内容の薄さで、物足りなさを感じるのも確かなところ。
「俺達の戦いはまだ始まったばかり」で「僕はここにいてもいいんだ」な結末もあんまりで、せめて着地くらいは綺麗に決めて欲しかった。
まあ次回作も買うけども。
13.8.1
評価:★★☆ 5