東方のあけぼの

政治、経済、外交、社会現象に付いての観察

荷風逃げ出す:管理組合という悪文化(2)

2006-07-13 11:04:23 | マンション管理組合

大正の昔。若様永井荷風はたまらず小伝馬町の借家を逃げ出した。築地の路地裏だったかな。麻布の借地に洋風の一軒家を建ててそこに引っ越した(偏奇館だったかな)。場末(築地は下町?分明ならず)の濃密な相互扶助精神に恐れをなして逃げ出した。詳しくは断腸亭日乗をごらんあれ。場末は人情がこまやかで気楽というのはそとから見る傍観者の観点だ。後年の墨東奇談(ワードの漢字変換制約にご理解あれ)の客の立場だ。

さて管理組合。社会学のフィールドスタデイには格好の材料だと思うが、気のきいた論文はあるのかな。まとまったのがあれば読んでみたい。いったい人は何故マンションを買うか。一軒家は高い? 一概にそうとも言えまい。核家族、独身者にとっては一軒家を保有するのは、その管理煩瑣に耐えざるものがあるからだろう。

いまどき一軒家に住めるのは女中数名、書生数名をかかえる大家族だろう。頻繁に押しかけてくる押し売りは書生がステッキで追い払う。

気楽で自由なシティライフを求めてマンションをあがなうと、管理組合といううっとおしいものがある。もっとも、管理組合の色合いほど、地域の特殊性が出るものはない。お屋敷町ではそれほど気にならない。場末のように近所の家に親切ごかしに押し込んでくるあつかましさがないからだ。

これが場末、下町、新開地に行くとそうはいかない。旧時代の長屋の精神を連綿と継承している。


今朝のみのもんだ

2006-07-13 09:01:07 | 社会・経済

6チャンネル、久しぶりに軍事評論家なる田岡某を見た。朝日新聞編集委員だそうだ。最近はテレビで見かけないがお呼びがないのか。今朝は久しぶりの出演なのか力んで弁じていたがなんかおかしい。

最近かしましい「敵基地攻撃論」にみのもんたが話をふると興奮して話し出した。経済制裁反対論と同じでいかに効果がないかを力説する。麻生大臣らが笑いものになっているという。役所の下僚がフィージビリティー・スタデイをやっているんじゃないよ。得意然たるもので、さながら高校生の政治論議だ。効果があるなし、よりもメッセージ表出の意味や意義を考えるべきだ。軍事評論家だから技術的な難しさは解説してもよい。発言をする政治家がお笑いだなどというのは妙だ。

田岡某が論ずるような微小なる技術的論点が政治家の論点ではあるまい。彼らの発言は歌劇で言えばレチタチーヴォだ。歌舞伎でいうと何だ、掛け合いとでもいうのかな。掛け合いというのは漫才か。

「ソウルを火の海にする」とか「東京を火の海にする」よりかははるかに意味のあるメッセージだ。あれだけ挑発されてはこのくらい言っておかないといかん。それとも、シンネリ、むっつりとダンマリをきめろというのか。