東方のあけぼの

政治、経済、外交、社会現象に付いての観察

沖縄集団自決のアポリア3

2007-10-06 09:07:27 | 社会・経済

どうして教科書に記述させようとするのが分からないんだよね。事実かどうかということと、教科書に記述する必要性は別だ。

なにか目的がなければおかしい。そしてそれをはっきりと提示すべきだ。「正しい歴史認識を持つため」とか長い間だったかな、ナカイマだったか沖縄の知事が力んでいたがこんなのは理由として不十分である。なぜ正しい歴史認識を持つのが重要か明言しなければならない。

騒いでいる連中が誰一人として言わないので、オイラが推測を交えて相手の立場に成り代わって解説をしなければならない。ヤレヤレ。

「再び戦争をしないために」と彼らはよくいう。ということは集団自決を軍に強制されたのは戦争のためだ。たしかに戦争がなければあんなことは起こらなかっただろう。もっと正確に言えば地上戦が行われなければ起こらなかったろう。もっと正確を期せば民間人を多数巻き添えにすることが分かっていても躊躇無く攻撃したアメリカ軍がいなければあのようなことは起こらなかったろう。

しかし、沖縄で起きた民間人がいてもお構いなしに攻撃するアメリカ軍の戦法にさらされたのは沖縄住民だけではない。もっと大きな規模で日本本土の住民は原爆や空襲を受けているのである。しかも日本本土の場合、アメリカは最初から民間人しかいない地域を狙って大量殺戮を実行している。

沖縄の地上戦では三ヶ月の間に9万人強の住民がなくなったと言われている。一方東京大空襲では二時間の間に10万人の都民が焼き殺されている。広島長崎ではナノ秒の間に30万人がホロコーストされている。

その事実が日本の教科書に書かれているか。2時間で10万人の東京都民を計画的に焼き殺した東京大空襲のことは教科書にはほとんど出ていない。広島、長崎の原爆については記載されているがまるで日本が悪かったような記述らしい。「誤りは繰り返しません」というのだからあきれる。いま運動している諸君は日本本土に対する大殺戮についてもつぶさに教科書に記述するように運動すべきだ。

民主党は沖縄の教科書問題で国会決議を出すそうだが、史上最悪のホロコーストである原爆投下、東京大空襲をはじめとする日本本土への市民大量殺戮を目的としたアメリカ軍の行為についても教科書に正確に記載することを決議案に盛り込むべきであろう(正しい歴史認識のために)。

さて沖縄の問題であるが、彼らが言いたいのは、日本軍人のモラルの問題ではないのか。なぜならアメリカ軍の行為については何も言っていないのだから。

彼らの言うことを聞いていると、どうも日本人のモラルが低いから、ああいうことが起こった。さらにいえば沖縄の住民は「悪い日本人とは人種が違う」という意識があるようだ。反日日本人も右へならへだ。いつものことである。

本当に必要なのは成人に達するまでの道徳教育の強化ではないのか。彼らが言いたいのは。道徳教育の強化も求めたほうがよろしい。