土曜日のTBS6時台のニュースでボーイングと組んだ日航の不正経理が取り上げられていたが、航空機を使った会計帳簿の粉飾は長年JALの十八番(オハコ)であり、TBSの着眼点は悪くない。
前原大臣のタスクフォースが日航の資産評価を徹底的に行っているそうだが、適切な段取りだろう。おそらくJALの危機は自己申告をはるかに上回る深刻なものだろう。
後発会社の悲しさで、かって全日空がもっと素朴な形で航空会社、米国航空機メーカーそれに自民党の悪のトライアングルを試みた。JALよりもはるかに素朴だった。航空機セールスのキックバックを現ナマで段ボールに詰めて田中角栄に渡すというやりかただ。あまりにも素朴すぎて、すぐにアメリカ発の工作に暴露されてしまった。
このときはANA、ロッキード、田中角栄という悪のトライアングルだった。問題は元ロッキード副社長の発言からだったが、仕掛けたのはボーイングだろう。
日航には代々大蔵省(当時の)理財局あたりから役員の天下りがあったが、彼らも悪のトライアングル業務に必要とされていたのだろう。
さて、保守本流は狡猾だ。日航、ボーイング、自民党保守本流とその影であるフィクサーの旧悪は今度の政権交代で明るみに出るかもしれない。
今では航空業界は自由化されたからANAは自身の経営力だけで経営を乗り切れるようになったわけだ。
(ロッキード=田中角栄)の影が右翼の大物代理人児玉ヨシオであったわけだが、ボーイングの日本側エイジェントは誰だったのか。故S氏ではないかと思われるがマスコミで取材してみたらよかろう。
& そういえば思い出したが妙なことがあった。山崎豊子の小説「沈まぬ太陽」にも出てくるが例の御巣鷹山の日本航空史上最悪の墜落事故だが、原因は隔壁の修理ミスと言われていた。問題の飛行機が何年か前に大阪伊丹空港で尻もち着陸をして隔壁を破損して修理した。その時にいい加減な修理をした、としてマスコミからたたかれていた。
日本航空(企業としての)と日本航空の運航担当の重役は刑事告発確実とみられてた。ところがボーイングがあれは私が悪うござんしたと発言したのだ。詳しいことは覚えていないが、たしかボーイングの修理マニュアルにも不備がある、とか、大阪事故の修理にもボーイングの技術者が立ち会ったとかいうんじゃなかったかな。
これでがらっと潮目がかわった。もちろん日航が責められ続けてはいるが、かなりドッジボールになっちゃったのだ。裁判にもなっていないのに、のっぴきならない証拠を突きつけられているわけでもないのに、アメリカの企業がすすんでアイアムソーリーということはまず普通では考えられない。
当時は日航が世界で一番たくさんジャンボを買っていたから、大得意に対してはアメリカでもあんなことをするのかな、と解釈した。現在ジャンボの大得意はチャイナだが、チャイナに対するアメリカの態度を見ているとある程度納得できるのだが。
しかし、その当時からボーイングが日航に不正キックバックをしていたなら、日航が刑事被告人になって、会計帳簿を当局に根こそぎ持っていかれるのを絶対に阻止する必要があっただろう。
本来なら、日本航空は得たりやおう、とボーイングを訴えそうなものだがうんともスンともいわなかった。これも、すでにボーイングと相身互い身の世間に公表できない関係にあったなら理解できる。
結局、群馬県警?は刑事告発出来なかった。この裏には上記の理由のほかに、自民党、法務当局からの圧力、見えない指揮権発動があった可能性もある。民主党政権はそこまで追求できるか。