前々号でジェファーソンや福沢諭吉がタダ切符で太平洋を渡っている可能性を語った。
なにもJALじゃなくてもいいだろうに、というでしょう。商事会社でもいい、ANAでもいい。現代ではソニーやトヨタでも大規模な国際間の資金移動をしている。
しかし、行きがかりからも、そとに秘密が漏れにくいという点からもJALになる。第一、まともな経営者がそんな危ない話を引き受けるはずもない。
数年前、JALが燃料の先物取引で数千億円の損失をだした。高値で先物取引をする、というまるで損をしたいみたいな取引だ。この時も経営危機に陥り政府資金の援助を受けている。
最近では為替の先物取引をやはり高値掴みをして数千億円の損失を出した。これも政府資金の援助でしのいだ。しかし、いずれも巨額の政府資金は経営改善につながらなかった。
燃料、為替の先物取引をみていると、まるで誰かに儲けさせるための八百長のにおいが強い。だから日航は当然のような顔をして政府援助を要求する。そしてそれは損失を補てんする(前から約束が出来ていたのだろう)だけだから、経営改善などしない。
政府も嫌味一つも言わずに数千億の金を出す。やみで往復ビンタ(このことば、若い諸君に分かるかな)で儲けているエスタブリッシュメントがいる。
すなわち、先物で儲けさしてもらったとき、つぎに政府資金が投入されたときに上前をはねた時である。
海外援助にしても、母子手当にしても、子供手当にしても、介護保険にしても、公共工事発注にしても政府資金が出て行く時には当然だが、仲介者、フィクサー、立法者そして行政窓口の裁量権者にさまざまな名目、形態で口利きの口銭(つまりリベート)が渡る。
これが私の小さな政府を主張する理由なのだが。
以上小説の構想を述べたわけである。