これがあるんだね。北方四島は過ぐる大戦のレガシーであるなんてことをプーチンやメドベージェフやらが言う。そうじゃないんだね。いわゆる後講釈だ。
ソ連には北方四島を返す意思があった。日米軍事協調を阻止してソ連の衛星国になるなら返すつもりだったのだ。餌だね。冷戦がまさに燃え盛ってきた当時はだよ。少なくとも、中立的な立場をとれば二島は直ちに返すはずだった。
これが由紀夫君の祖父鳩山一郎がモスクワで二島返還の覚書を取り交わしたココロである。
ところが日米安保だ。アメリカは日本と講和条約を結んで占領を終わらせる。奄美大島を日本に返す。小笠原諸島を返還する。沖縄を返還する。順序はどちらが先だったかな。
てなわけで、ソ連は日本に北方四島を返還する意思など消えてしまった。今の国際情勢は当時とは違うが、それでも日本が沖縄からアメリカ軍を追い出せば、北方四島を返すという可能性もある。
ナイーブな由紀夫君がそんな離れ技を胸に秘めているとは思わないが、おしるしに普天間の基地を国外に追い出せば岩礁の一部ぐらいは返すだろう。嘉手納あたりをグアムに移転させれば二島くらいは帰ってくる可能性がある。福島瑞穂くんにもひと働きだ。拉致問題ではお友達甲斐もなくなにもしなかったが、今回はもう一人の旧友ソ連との仲を取り持ってもらいたいものだ。
あくまでも可能性で、そこから先は外交力、政治力が必要だ。もし、この通りに行かなくても、この方向に動くような傾向でも作れば鳩山首相は今の危機から抜け出せるかもしれない。少なくとも北朝鮮から拉致被害者の一人くらいを連れ帰るよりもはるかに効果があるだろう。
その余波で南シナ海の波が静まりればもっと効果がある。それを狙っているのでなければ鳩山氏のこれまでの外交スタンスは無意味である。
おっと、忘れていた。竹島も何とかしなければいけないな。こうして見ると鳩山首相には危機脱出の手立てはいくらでもある。