詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

内閣支持率/民進党の問題点

2017-09-12 10:42:23 | 自民党憲法改正草案を読む
内閣支持率/民進党の問題点
            自民党憲法改正草案を読む/番外114(情報の読み方)


 読売新聞(2017年09月12日、西部版・14版)1面に内閣の支持率が「5割回復」という記事が載っている(世論調査)。4面(政治面)の解説では「北(朝鮮)対応で評価」という文字がおどっている。
 一方、民進党については、「前原氏に期待せず」60%という。
 私は内閣支持率がアップした理由は、北朝鮮の核問題より、民進党問題の方が大きいのではないかと思っている。
 つまずきの最初は「蓮舫の二重国籍問題」である。なぜ、「二重国籍」であることが問題なのか。日本の法律に従い、立候補をし、日本の選挙で国会議員に選ばれているのだから、「二重国籍」であることは、何の問題もないはずだ。
 「二重国籍」だと、何かのときに日本を裏切り、もうひとつの国籍の利益になる行動をするのではないか、ということが心配されているようだが、日本の国籍をもっていても日本を裏切るひとはいるだろう。
 もし蓮舫が台湾の国籍(日本は、台湾を「国」と認めていないから、国籍といえるかどうか、よくわからないが)ではなく、アメリカとの二重国籍だったら、同じことがおきたのか。
 逆に、「同盟国」アメリカとの「強いパイプ」ということで歓迎されたのではないのか。アメリカに「人脈」がある、と。
 そして「人脈」ということを中心にして考えれば、いろいろな国との人脈が多いほど、何かのときに「役立つ」ということがある。台湾との人脈、さらにそこからつながる中国との人脈というものが「役立つ」ということも絶対にあるはずだ。
 「二重国籍」だから人間として信じられないという「論理」は、どこかおかしい。
 「二重国籍」だから、その「パイプ」は有効だという「論理」と、「論理的」には同じであるはずだ。
 同じであるはずの「論理」が一方だけ強調されるのは、そこには「二重国籍」以外の論理が働いているということだろう。
 アジアへの蔑視、女性への蔑視が、どこかに隠れている。
 これを民進党は受け入れてしまった。
 「戸籍の開示」という個人情報への踏み込みまで侵してしまった。


 この個人情報への不当な関与、プライバシーの侵害を容認したことは、つづく山尾の不倫スキャンダルを受け入れることにつながった。
 山尾が不倫していたかどうか、そんなことが民進党とどういう関係にあるのか。当事者は山尾のつれあいであって、党は第三者である。関係がない。慰謝料とか、財産分与とか、親権とか、どの問題にも関わりようがない。
 どこから「情報」が流れたのかわからないが、「盗撮」とか「密告」があったということだろう。そういう行為を認め、さらにはそうした「情報」で人格攻撃をするということを民進党は受け入れた。「共謀罪」を成立させるための「要素」を受け入れた。「密告」と「監視」が、これからどんどん増えるだろう。それを民進とは「先取り」する形で受け入れた。
 こんなことをしていたら、国民の支持は離れる。

 民進党は、二人の女性議員を、いわば「失脚」させたのである。
 守り抜く方法はいろいろあるのに、なんの抵抗もしなかった。むしろ、進んで女性を追い落した。民進党内部に、女性蔑視の力がうごめいているのかもしれない。
 そう感じる人がいても不思議はないだろう。

 女性問題については、もうひとつ、大きなことがある。民進党とは直接関係がない。ある女性が強姦された。男には逮捕状まで出た。しかし、寸前になって執行されなかった。男が安倍の「知人」であることが「理由」であると言われている。
 この問題と、民進党は、どう向き合うか。女性の人権を守るために何をするか。
 そういうことが、これから問われるだろう。
 女性の人権問題は、北朝鮮の核問題に比較すると、重大視されていないが、人間の半分は女性である。人権問題は「日常」の問題である。これをおろそかにすると、社会は破綻する。
 核は一瞬にして世界を破壊する。「日常にひそむ差別」は、一瞬では世界を破壊しない。しかし、土台から世界をゆっくりと崩し始める。それは徐々にだから、気づきにくいが、そして気づいたときには取りかえしがつかないことになるのだが。

 いま起きている多くのことは、「差別」と関係している。
 安倍の支持者たちは、「差別される側」になりたくない。何とかして「差別する側」にまわりこみたいと願って行動しているようにみえる。非正規労働者をさげすみ、低所得者を「自己責任」とののしり、ののしることで「差別されない自分」というものを必死で維持している。経済至上主義(アベノミクス)にすがりついている。何の効果も上がっていないのに、安倍を支持すれば効果が自分に波及してくると夢見ている。
 このひずみの中へ入り込み、「差別される側」の怒りを組織化する方法を確立されることが野党にもとめられているのに、民進党は「差別される人」(苦しんでいる被害者)を切り捨てた。
 この影響は大きい。もう、立ち直れないだろう。だれも民進党には期待しないだろう。経営者予備軍の連合幹部が前原を応援するだけだろう。





 
#安倍を許さない 
憲法9条改正、これでいいのか 詩人が解明ー言葉の奥の危ない思想ー
クリエーター情報なし
ポエムピース
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする