詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

3 自然の総目録(嵯峨信之を読む)

2018-06-03 10:46:07 | 嵯峨信之/動詞
3 自然の総目録

しかしあれは誰の詩語だつたのだろう
《男=この永遠の遺失物……》
自然の総目録からいつ人間はぬけ落ちたのか
ぼくはどこでピリオドを打たれたのか

 「ぬけ落ちた」は「中間」が抜け落ちる。「両端」は落ちても「ぬけ」落ちることはない。「落ちる」よりも「ぬける」という動詞に重きがある。
 「ぬけ落ちる」は「両断する」を思い起こさせる。
 両断したとき、両端が落ちたのではなく、「中間」が「ぬけ落ちた」。それが「男」であり「人間」である。
 このとき「永遠」は、残された「両端」の方にある。

 「ぬけ落ちる」はまた「ピリオドを打つ」と言いなおされている。「つながり」を絶たれることを、「終わり」と言っていることになる。
 何と、どことつながるか。それは書かれていない。「つながり」の「総目録」が「自然」ということになる。





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