「改憲案」の先取り(拡大解釈)
自民党憲法改正草案を読む/番外216(情報の読み方)
森友文書の改竄を巡る財務省の処分は、甘すぎる。このことについては多くのひとが書いているだろうから、書かない。違う視点から書きたい。
自民党の改憲案に「緊急事態対応」がある。
ふたつの部分からなっている。「国会に関する4章の末尾に追加」と「内閣の事務を定める73条の次に追加」である。今回問題にしたいのは「国会に関する4章の末尾に追加」の部分である。
現行憲法と「追加条項」をつづけて読んでみる。
これは、何度読んでも「つながり」が悪い。
64条は「弾劾裁判」に関する条項だ。趣旨は、日本は「三権分立」制度を採用しているが、だからといって「裁判官」の「独断」を許しているわけではない。国会でコントロールできるようにしている。そのことを定めているのが64条である。
このあとに、「大規模災害」のときには選挙を省略し、衆院、参院両議院の任期を延長できるというのは、どうもおかしい。
ここにこの「条項」が追加されるは、「弾劾裁判所」をいつでも開けるようにするためである。国会議員の「任期」が切れていれば、当然、「国会」は開かれないし、「弾劾裁判」も開かれない。新しい議員が選ばれ、国会が開かれたあと、国会で「弾劾裁判」が開かれることになる。こういう「手順」を自民党は阻止したいのだ。
たとえば「自衛隊は違憲である」「公文書は、一字一句改変してはならない」という判断を裁判官が下したとする。それは政府(安倍)にとって不都合である。「弾劾裁判を開いて、罷免させてしまえ」ということをしたいのだ。そういうことをするためには、「国会」はいつでも開かれていないといけない。
「大地震その他の異常かつ大規模な災害により」と自民党の案は書いているが、詳細が明記されていない「その他」に、政府(安倍)の判断を「違憲」と指摘する裁判官の登場が含まれているのだ。それは「政権(安倍)」にとって「大規模な災害」になる。なぜなら、国民は「司法が安倍のやっていることは違憲(違法)だと判断した」と安倍批判を展開できるからだ。
安倍はいつでも裁判官を罷免するための「手段」を握っていたいのだ。
支配したいのは裁判官だけではない。検察も支配したい。そして、それは実際に着々と進んでいるのだろう。
大阪地検はすでに支配されている。「佐川を訴追したら、左遷するぞ」とは明確に脅さないけれど、そういう「雰囲気」をつくりだす。「忖度」を促す。いまの「地位」にいたかったら、政権に都合のいい「判断」をしろ、というわけである。
自民党改憲案は、「先取り実施」されている。そしてそれは「拡大先取り」という形で実施されている。
現行憲法の「国会議員の任期」は次の条文に定められている。
この条文のなとではなく「弾劾裁判」について定められたあとに、「緊急事態条項」が追加されている「理由(狙い)」を考えてみる必要がある。
自民党憲法改正草案を読む/番外216(情報の読み方)
森友文書の改竄を巡る財務省の処分は、甘すぎる。このことについては多くのひとが書いているだろうから、書かない。違う視点から書きたい。
自民党の改憲案に「緊急事態対応」がある。
ふたつの部分からなっている。「国会に関する4章の末尾に追加」と「内閣の事務を定める73条の次に追加」である。今回問題にしたいのは「国会に関する4章の末尾に追加」の部分である。
現行憲法と「追加条項」をつづけて読んでみる。
(現行憲法)
第64条 国会は、罷免の訴追を受けた裁判官を裁判するため、両議院の議員で組織する弾劾裁判所を設ける。
2 弾劾に関する事項は、法律でこれを定める。
(追加部分)
64条の2
大地震その他の異常かつ大規模な災害により、衆議院議員の総選挙又(また)は参議院議員の通常選挙の適正な実施が困難であると認めるときは、国会は、法律で定めるところにより、各議院の出席議員の三分の二以上の多数で、その任期の特例を定めることができる。
これは、何度読んでも「つながり」が悪い。
64条は「弾劾裁判」に関する条項だ。趣旨は、日本は「三権分立」制度を採用しているが、だからといって「裁判官」の「独断」を許しているわけではない。国会でコントロールできるようにしている。そのことを定めているのが64条である。
このあとに、「大規模災害」のときには選挙を省略し、衆院、参院両議院の任期を延長できるというのは、どうもおかしい。
ここにこの「条項」が追加されるは、「弾劾裁判所」をいつでも開けるようにするためである。国会議員の「任期」が切れていれば、当然、「国会」は開かれないし、「弾劾裁判」も開かれない。新しい議員が選ばれ、国会が開かれたあと、国会で「弾劾裁判」が開かれることになる。こういう「手順」を自民党は阻止したいのだ。
たとえば「自衛隊は違憲である」「公文書は、一字一句改変してはならない」という判断を裁判官が下したとする。それは政府(安倍)にとって不都合である。「弾劾裁判を開いて、罷免させてしまえ」ということをしたいのだ。そういうことをするためには、「国会」はいつでも開かれていないといけない。
「大地震その他の異常かつ大規模な災害により」と自民党の案は書いているが、詳細が明記されていない「その他」に、政府(安倍)の判断を「違憲」と指摘する裁判官の登場が含まれているのだ。それは「政権(安倍)」にとって「大規模な災害」になる。なぜなら、国民は「司法が安倍のやっていることは違憲(違法)だと判断した」と安倍批判を展開できるからだ。
安倍はいつでも裁判官を罷免するための「手段」を握っていたいのだ。
支配したいのは裁判官だけではない。検察も支配したい。そして、それは実際に着々と進んでいるのだろう。
大阪地検はすでに支配されている。「佐川を訴追したら、左遷するぞ」とは明確に脅さないけれど、そういう「雰囲気」をつくりだす。「忖度」を促す。いまの「地位」にいたかったら、政権に都合のいい「判断」をしろ、というわけである。
自民党改憲案は、「先取り実施」されている。そしてそれは「拡大先取り」という形で実施されている。
現行憲法の「国会議員の任期」は次の条文に定められている。
第45条 衆議院議員の任期は、4年とする。但し、衆議院解散の場合には、その期間満了前に終了する。
第46条 参議院議員の任期は、6年とし、3年ごとに、議員の半数を改選する。
この条文のなとではなく「弾劾裁判」について定められたあとに、「緊急事態条項」が追加されている「理由(狙い)」を考えてみる必要がある。
詩人が読み解く自民党憲法案の大事なポイント 日本国憲法/自民党憲法改正案 全文掲載 | |
クリエーター情報なし | |
ポエムピース |