ピアノ
海の底にはピアノが沈んでいる
深夜
誰もが眠っているとピアノは静かに鳴りはじめる
「深夜」「眠る」「静か」ということばが固く結びつく。それを「鳴る」という動詞、書かれていない音が破っていく。その衝突のなかに、その連続(接続)と切断の瞬間に詩があるのだが、これは「定型」になってしまっている。
これをどう乗り越えるか。違った形にするか。あるいは、さらに深めるか。
奏者は
地球創造のとき生まれたひとりのみなし児だという
「みなし児」ではなく「ひとり」に焦点を当てて読みたい。「みなし児」に重心を置くと、「意味」が強くなりすぎる。
*
詩集『誤読』は、嵯峨信之の詩集『時刻表』を批評するという形式で書いたものです。
オンデマンドで販売しています。100ページ。1500円(送料250円)
『誤読』販売のページ
定価の下の「注文して製本する」のボタンを押すと購入の手続きが始まります。
私あてにメール(yachisyuso@gmail.com)でも受け付けています。(その場合は多少時間がかかります)