詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

「新型肺炎」の情報の不自然さ

2020-02-14 10:31:16 | 自民党憲法改正草案を読む
 2020年02月14日の読売新聞(西部版・14版)一面。「新型肺炎 国内初の死者/神奈川の80代女性/中国渡航歴なし」という見出し。さらに「親族のタクシー運転手感染」と見出しがつづく。タクシー運転手は70歳代で、死亡した女性は運転手の「義母」にあたるという。

 この記事を読みながら、非常に疑問に思った。
 女性の症状の経緯
①1月22日 倦怠感
②2月1日 肺炎と診断され入院
③2月6日 症状悪化、別の医療機関に転院
④2月13日 死亡
 タクシー運転手の症状の経緯
①1月29日 発熱、受診
②2月3日 肺炎と診断
③2月6日 入院
③2月13日 陽性と判明

 私が疑問に思ったのは。
 神奈川と東京はたしかに隣接している。二人は親族(女性は運転手の義母)だが、どこで、どう接触したのか書かれていないので、「感染経路(?)」がまったく想像できない。
 ふつうに考えれば、義母が倦怠感を覚えたからといって、義母の所まで見舞いになどいかないだろう。「町内」くらいの距離なら別だが、遠く離れて暮らしていれば、行き来はしないだろう。
 もし見舞いに行くとしたら、女性が入院した「2月1日以降」だろう。あるいは入院のための準備とか手伝いの「1月31日」くらいだろう。入院の日程が決まってからだろう。 ところが運転手が「症状」を自覚したのは「1月29日」である。まだ女性が「肺炎」と診断されていない。
 女性から運転手に「感染」したのだとすれば、女性が「倦怠感」を自覚した「1月22日」から「1月29日」の間である。どこでふたりは接触したのか。もし接触していないのだとすれば、読売新聞に書かれている「親族」ということば(表現)は大きな誤解を与えることになるだろう。「親族(接触の機会があった/接触した)」だったから「感染」したのではなく、別の「感染経路」で感染した二人が、偶然「親族」であった可能性を否定できないからである。
 そしてこれは、感染の危険性が、関東(東京近辺)では非常に高まっているということを意味する。「直接接触」ではない感染も考えられるということを意味する。
 それを裏付けるように、一面には「千葉の会社員と/和歌山の医師も」という記事がある。千葉は東京(羽田空港)に隣接しているし、成田空港もある。しかし、和歌山は東京からはなれている。さらに、和歌山の医師は「済生会有田病院に勤務する50歳代の外科医」である。「内科医」ではない。「呼吸器系の患者」を担当しているわけではない。「感染者」と濃密な接触があったとは、ふつうには考えられない。
 「親族」を見出しに取っているのはミスリードにつながるかもしれない。また「外科医」を見出しにとらないこともミスリードにつながるかもしれない。「感染の危険性」について、もっと踏み込んだ情報が公開されないといけないのではないのか。
 「武漢」を発祥地とする「新型肺炎」だが、発生したときと今では、「ウィルス」そのものが変化しているということも考えられるのではないだろうか。





#安倍を許さない #憲法改正 #天皇退位 
 


*

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嵯峨信之『小詩無辺』(1994)を読む(27)

2020-02-14 09:47:42 | 『嵯峨信之全詩集』を読む
* (夢は)

魂しいの内側をすべつて
夜明けは
魂しいの外側から明るくなつてくる

 「魂しい」ということばを「肉体」ととらえれば、この詩は、ごくふつうの体験を書いているように思える。朝、太陽が射してくる。目がさめる。外は明るく、夢は肉体の闇のなかへ隠れていく。
 しかし、それではおもしろくない。
 「夢」と「夜明け」、「内側」と「外側」を入れ替えて読んでみる。
 「夜明けの明るさ」の方が「肉体の内側(魂しい)」に射しこむ。それに誘われるようにして「肉体の外側」に夢があふれ、「肉体(魂しい)」をつつむ。
 そうすると、詩は、希望の声になる。
 嵯峨が書こうとしているのは「希望」ではなく、一種の「失望(喪失)」なのだが、絶対的な「絶望」は感じられない。だから、私は「絶望」の対極にあるものを夢想する。









*

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