詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

Estoy Loco por España(番外篇312)Obra, Luciano González Diaz

2023-02-28 12:18:43 | estoy loco por espana

Obra, Luciano González Diaz

 Luciano es hermano gemelo de Miguel González Diaz, que escribí sobre su impresiones en "310". Hay algunas similitudes en sus estilos. He escrito sobre la obra de Luciano casi exactamente lo mismo que antes escribí sobre la de Miguel.
 ¿Cuáles son las similitudes? Los "movimientos de la mano" utilizados para crear las obras son probablemente similares. La forma en que utilizan las manos es similar.
 Las largas extremidades de los bailarines (o, en el caso de Miguel, de la mujer Coraje). Cuando las hacen, deben frotarse las manos. (Me recuerda a la sensación de hacer cuerdas de arcilla cuando era niño). Creo que las huellas de los movimientos de sus manos son similares.
 Los dos no reproducen el objeto con la fuerza de sus ojos, sino que lo reproducen con las memorias de sus palmas. La calidez de este sentimiento se extiende a cada detalle.  Hay una belleza delicada. La flexibilidad del cuerpo de la bailarina y el movimiento tranquilo de la fuerza, la me siento en mis manos.

 Luciano は、「310 」で感想を書いたMiguel González Diazと双子の兄弟。作風にもどこか似たところがある。以前、Miguelの作品について書いたこととほぼ同じことを、Luciano の作品について書いたことがある。
 どこが似ているのか。作品をつくるときの「手の動き」が似ているのだろう。手のつかい方が似ているのだろう。
 ダンサーの(Miguelの場合は戦士の)長い手足。それをつくるとき、ふたりはきっと手をすり合わせてつくる。(子どものとき、粘土で紐をつくった感じを私は思い出す。)その手の動きの痕跡が似ていると思う。
 対象を冷酷に、厳格に見つめるというよりも、手のひらが覚えているものを再現する感じ。その温かな感じが、細部にまで行き届いている。繊細な美しさがある。ダンサーの肉体のしなやかさと静かな力の動きが、私の手にも伝わってくるような作品。

 

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橘上『SUPREME has com』

2023-02-28 11:23:25 | 詩集

橘上『SUPREME has com』(いぬのせなか座、2023年01月31日発行)

 橘上『SUPREME has com』は、松村翔子、山田亮太と一緒に出版した4冊組の『TEXT BY NO TEXT』の1。
 それ以上、書くことはない。
 ことばは、私にとってはいちばん大切なものである。ことばがないと考えることができないからである。そしてことばで考えるということは「文体」を生きるということである。
 最近、私は、スペインの詩人と知り合い、彼といっしょにスペインの作家の文章を読んでいるのだが、スペイン語であっても、私は日本語を読むときと同じ読み方をしてしまう。いくつかの動詞、いくつかの名詞の呼応のなかから、そのことばのなかで動いている肉体を考える。つまりことばをとおして肉体を重ねる。そのなかで世界をつかむ。
 ときどき、それがまったくできないときがある。
 きのう送られてきたテキストは、子どもが、自分の持っている鞄の匂いを気にする内容だった。鞄が臭い。それは、動物の皮をなめしてつくるときのにおいである。日にさらされてにおいを持つ。想像はできるが、私は、そういう体験をしたことがない。
 つまり、そのにおいが持つ、生と死の交錯、それにかかわる人間の暴力というものを、頭で想像できるけれど、肉体として思い出せない。そういうものを出発点として、私は「考える」ということができない。まだ、ことばになっていないものを感じるということはできない。どこまでが、すでにことばになっていることか、わからないからだ。
 「においを感じる」「においからさまざまなことを知る」という「文体」を生きることはできるが、その「におい」が狩猟と関係づけられるとき、私はその「文体」を生きることはできない。単に、想像するだけだ。そして、私は「想像」を語ることを好まない。すっかり面倒くさくなってしまった。

 書くことはない、と書いたし、書いてもしようがないと思うが。たとえば、「現代はもう現代詩(NO シャブ NO LIFE EDIT)」のなかに、こんな行がある。

「同じことを知っているお友達と、お友達にしか通じない言葉で」
「死ぬまで会話のパーティーしてればいいじゃん(いいじゃん!)」

 私は、私のことばがだれかに通じるとは、もう考えていない。通じなくても、ぜんぜんかまわないと考えている。だれかに通じるように考えるのではなく、私には考えたいことがあるから考える。そして、私の考えていることがいったいどこにたどりつくのか私は知らない。だから、もし私のことばが通じたとしても、そんなことはもう私には関係ないこと、知らないこと、どうでもいいことである。
 だから、自分では何も書かなかった(ことばを残そうとはしなかった?)、ソクラテスは偉大だなあ、と私は心底思うのだが、そんなことを思っていると、こういう行が待ち受けている。

「アンタは何を知ってるの?」
「俺はなんにも知らねぇぜ」
「知らないふりするな!」
「俺が何を知ってて何を知らないか、アンタ知ってるの?」

 でも、ソクラテスは「俺が何を知ってて何を知らないか、アンタ知ってるの?」とは言わないだろうなあと感じる。「アンタは何でも知っている。しかし、俺は何にも知らない」とは言うかもしれない。
 そういう気持ちなのだ、私は。
 橘上は、橘上が書いていることはもちろん書いてないことも何でも知っているのだろう。しかし、私は橘上が書いていることは何にも知らない。
 橘上『SUPREME has com』は、松村翔子、山田亮太と一緒に出版した4冊組の『TEXT BY NO TEXT』の1。それ以上、書くことはない、とはそういう意味である。

 

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