Antonio Baños「ME DUELE EL CORAZÓN 」("Cuando se rompe el silencio" )
スペインの詩人の詩は、ロマンチックである。Antonio Baños の詩を読んだ。
ME DUELE EL CORAZÓN
Me duele el corazón de no verte.
Me duele cuando despierto de mi nostalgia,
cuando escucho la alondra cantando en mis silencios,
cuando los atardeceres de mis días finitos suenan en la lejanía sin sonido aparente.
Me duele el corazón de no verte.
Me duele, cuando la vela de mi vida
se consume lenta, irremediablemente,
cuando la leña de nuestros deseos
cruje como llanto de ausencia y desespero.
Me duele el corazón de no verte.
Me duele cuando mis manos solo acarician recuerdos,
cuando rozo tu piel en la retina de mis ojos,
cuando todo expira en mí, no tu recuerdo.
Me duele el corazón de no verte.
Porque… el amor duele,
duele de tanto querer,
duele de querer quererte
二つのことば(フレーズ)が繰り返される。それが音楽的な効果を上げている。ひとつは「Me duele el coraz n de no verte 」、もうひとつは「cuando」。このとき「cuando」以下のことばが少しずつ変化していく。目覚めから、人生の夕方、そして、夜。暖炉で燃える薪の炎は、詩人の欲望の炎である。その赤い炎は太陽を思い出させるように、いまはそこにいない「あなた」を思い起こさせる。
そして、最終連なのだが。
ここでは「cuando」はつかわれない。かわりに「porque」(なぜなら)がつかわれる。同時に「no verte」がつかわれずに「quererte」が登場する。
このことは、なにを意味するか。
繰り返される「cuando」は「porque」と言い換えられる。「no verte」は「quererte」と言い換えられる。つまり、意味としては「cuando=porque」、「no verte=quererte」なのである。そして、それを言い換え、同じものであると感じたとき、この詩は、Antonio のものではなく、読者のものになる。
あなたに会えなくて心が痛む。
憧れから目が覚め
私の静寂の中でヒバリが歌うのを聞くとき
私の残りの日々を知らせる夕日が
音もなく遠くで鳴り響くとき
あなたに会えなくて心が痛む
私の人生のキャンドルが
ゆっくりと無情にも燃えていくとき
不在と絶望の叫びのように
欲望の薪がパチパチと音を立てるとき
あなたに会えなくて心が痛む
私の手が思い出を撫でるとき
目の網膜にあなたの肌がよみがえるとき
あなたの記憶ではなく
私の記憶が消えていくとき
あなたに会えなくて心が痛む
なぜなら... あなたを思うとき
愛が、あなたを愛しすぎた愛が
その激しさで私を傷つけるから
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